山村で前向く若者を活写 平成生まれ40人写真集に 宮崎・西米良の小河さん

西日本新聞 夕刊

 奥深い九州山地の人口1100人余りの小さな村、宮崎県西米良村に暮らす若者に焦点を合わせた写真集「上を向いて行こう 西米良発 平成若者図鑑」(CAMERAMERA BOOKS・2500円)を、同村の写真家小河孝浩さん(58)が出版した。過疎の村で生きる前向きな若者を活写した小河さんは「100年後、200年後に残る写真集になれば」と話す。同名の写真展が14日まで、宮崎市の県立美術館県民ギャラリーで開催中。

 同村生まれの小河さんは、2001年に活動拠点を東京から故郷に移して18年を迎える。今回の企画は、昭和生まれの若者を撮影した04年の写真展「西米良発 若者図鑑」を受けて発案。「15年前に撮影した子らは成長し、県外から注目される農家や、村で会社を起こした者もいる。平成のうちに今の若者も記録したかった」と動機を語る。

 撮影は平成最後の1カ月。対象の40人を毎日のように撮り続け、2千こま以上の中から40枚を選んだ。全て仕事場で上を向いたポーズ。スマホ世代の若者は笑顔を作り慣れている。その笑顔を出し尽くした後の素の表情を狙ったという。

 写真集でも写真展でも、40人の姓は記されていない。中武、黒木など同じ名字が多く、名前だけで呼ぶ土地柄を反映したという。写真展では、1メートル四方のモノクロ写真が迫力を出す。「この橋を架けた」と誇らしげな建設会社員の栄貴(まさき)。「大好きな西米良と一緒に成長を」と言うのは村役場で働く美咲。製菓、調理の仕事を経て郷里で林業に就いた将人。老人ホーム勤務の冴華(さえか)は今春戻ったばかりだ。

 写真集の表紙になったユズ農家の黒木元太さん(29)は「いつか写真集を見て、成長した自分を感じられたらうれしい」と語った。最後の被写体になった広永泰地さん(18)はこの4月から林業に従事。宮崎市出身でプロゴルファー志望の異色の若者は「2年後のプロテストを目指して、ここで資金づくり、体力づくりに励みます」。

 息子のような世代を見つめる小河さんは「写真には生まれた過去、撮影した現在、そして見据える未来の三つが込められている。この子らの10年後、20年後が楽しみだ」と話す。 

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