鍋島緞通5代目デビュー 現会長の孫、吉島夕莉子さん

西日本新聞 佐賀版

「吉島伸一鍋島緞通」の5代目として創作を始めた吉島夕莉子さんと新作の2点 拡大

「吉島伸一鍋島緞通」の5代目として創作を始めた吉島夕莉子さんと新作の2点

 佐賀の伝統的な木綿織りじゅうたんの織元「吉島伸一鍋島緞通」(佐賀市大和町)で、20代の5代目が創作を始めた。3代目の吉島伸一会長(77)の孫、夕莉子さん(27)で、1月に佐賀にUターンし、主にデザインを手掛けている。12日から同社で始まった夏の特別セールに新作2点を出品。「歴史のあるものを代々つないでいく責任を感じる。現代の生活にも溶け込む図案や色合いを心掛けています」と話している。

 鍋島緞通は江戸時代、佐賀藩の御用品として発達。ボタンの花と葉をカニのはさみに見立てた「蟹牡丹(がにぼたん)」という柄などで知られる。同社は吉島会長の祖父が1912年に創業した。

 祖母のひさ子さん(75)と母のひろ子さん(52)が織り師として働く工房を遊び場に「緞通と一緒に育ってきた」という夕莉子さんは、大学時代に手織りの伝統を守ってきた家業を継ぐことを決意。東京の女子美術大に再入学して織りと染めを学び、福岡市の就職情報会社で2年半、営業などを学んで帰郷した。

 セールでは、夏に向けた色合いで古典柄を現代風にアレンジした「落白黄地(らくはくおうじ)牡丹唐草文縁(ふち)二重格子文」、古典柄に青と緑のグラデーションを施しつつ花の大きさなどを変えて新味を加えた「浦和柳地牡丹唐草七宝(しっぽう)縁二重雷文(らいもん)」を展示する。

 デザインに当たっては、ひさ子さんとひろ子さんのアドバイスを求め、完成まで半年近くを要した。夕莉子さんにとって2人が目標だといい「祖母と母の技術を吸収した上で、私なりの表現をしなければならない。緞通は佐賀以外で知られていない状況があるが、いいものであることをいろんな人に伝えたい」。

 セールでは約15点を展示。16日まで。

佐賀県の天気予報

PR

PR

注目のテーマ