ハンセン病「補償」協議難航も 首相談話、原告主張と隔たり

西日本新聞 総合面

 国に賠償を命じた熊本地裁判決が確定し、今後の焦点は元患者家族への補償の枠組み作りに移る。ただ、首相談話が「判決に基づく賠償」を表明したのに対し、原告・弁護団は請求を棄却された20人を含めた救済策や、判決内容とは異なる一律額での補償金を求めており、協議は難航も予想される。

 判決で訴えが棄却されたのは、身内が元患者だと知った時期が、国の隔離政策を違憲とした2001年の熊本地裁判決の翌年以降だった20人。原告・弁護団は、この原告らも政府が検討する救済策に含まれることを期待し、20人の控訴を踏みとどまった。弁護団の一人は「リスクは大きいが、補償措置を早急に検討するとした首相談話に水を差したくない。政府の英断に私たちも英断で応じるというメッセージだ」と話す。

 補償額についての主張も「判決に基づく賠償」とする首相談話と異なる。判決では元患者との関係などによって1人当たり33万~143万円と賠償額に幅があったが、弁護団は一律の補償金を求める方針。弁護団の徳田靖之共同代表は「被害にあった人に不公平がないような内容を要望していく」と強調した。

 01年成立のハンセン病補償法は、同年の熊本地裁判決に従い、元患者の療養所入所期間などに応じて補償金を800万~1400万円に設定した。厚生労働省幹部は「(弁護団の主張は)判決に沿った内容を超えている。どうするかの検討はまだ白紙だ」と戸惑いを見せる。

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