『野村望東尼 姫島流刑記』 浅野美和子著 (石風社・4104円)

西日本新聞 くらし面

 福岡藩は1865年、長州征伐を機に、家老の加藤司書ら藩内の勤王派を弾圧した。彼らを支援していた歌人野村望東尼は自宅謹慎となる。さらに糸島半島沖の姫島に流されたが、翌年、かつて匿った高杉晋作の手によって長州へ逃れる。この間の出来事や感慨を記した獄中日記「夢かぞへ」「ひめしまにき」の直筆稿本を翻刻し、注釈を加えたのが本書。「やるかたも無げなる胸の憂き波を鳴き静めたるうぐひすの声」など日記に収められた歌について著者は、自在な境地や率直で切迫感のある表現を評価し「和歌史における最高の達成の一つ」と位置づけている。

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