自立まで住める更生寮 期限設けず元受刑者ら支援 北九州の光進工業

西日本新聞 北九州版

 罪を犯した人や元非行少年を雇用し、更生を支援している北九州市小倉北区の解体工事業「光進工業」が、区内に2棟目となる専用の「陽(ひ)だまり寮」2号館を建てた。刑務所を出た人を受け入れる施設の入所は原則半年間だが、陽だまり寮は「自立の準備が整うまで」と事実上、期限を設けていない。1号館の建設から4年。元受刑者らの貴重な受け皿として役立っている。

 社長の細川忠広さん(42)は、創業者で父の勲さん(75)が保護司をしていたこともあり、約10年前に元受刑者らを雇う「協力雇用主」となり、これまでに約70人を従業員として受け入れてきた。

 法務省によると、更生保護法に基づき国から委託を受け、犯罪歴のある人らを一時的に受け入れる民間の更生保護施設や自立準備ホームは全国に計約760カ所あるが、いずれも原則半年しか入所できない。入所希望者が多いため2~3カ月としている施設もあるという。

 だが、元受刑者たちの中には身元引受人がおらず、保証人を立てることが難しいため、住む家を見つけられないことも多いという。このため、細川さんは2015年、入所期限を定めない陽だまり寮(1号館)を、会社の福利厚生費を活用して建設。今年に入って隣接地に2号館も建設し、6月から受け入れを始めた。

 1号館には6畳一間が9室あり、シャワー、トイレ、洗濯機は共用。2号館は1LDKで5室あり、部屋ごとに風呂や簡易キッチンを備えている。

 出所して入社したばかりの社員は1号館で生活を始め、2号館にある食堂で朝夕の食事を一緒に取るなど共同生活を行う。慣れてくれば2号館の部屋に移る。現在は両館合わせて約10人が生活している。

 寮の管理人は細川さんの母文枝さん(71)が務め、食事の準備や生活指導をしている。入寮者の門限破りを厳しく注意することもあるが、仕事での頑張りを焼き肉でねぎらうなどして家族のように接してきたという。

 入寮者の一人は「寮には悩みを打ち明けられる人がいる。ずっと居たいくらいだが、独り立ちできるよう頑張りたい」と感謝する。

 寮を出て独り立ちした人はまだいないが、細川さんは「入寮者たちは社会で自立していく力を身に付けていっており、この4年で手応えを感じている。1人暮らしにより近い2号館は、独り立ちへのステップの場にしたい」と話している。

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