原発立地県、口閉ざす候補者 佐賀、鹿児島議論聞こえず

西日本新聞

 九州で原発が立地する佐賀、鹿児島両選挙区では、原発に関する議論はほぼ聞こえてこない。

 昨年再稼働した九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)を抱える佐賀選挙区。自民現職の山下雄平氏は8日に玄海町に入り、緊急時に避難経路となる原発周辺の道路整備予算確保を訴えたが、演説の中で割いた時間はごくわずか。山下氏は「原発ばかりを訴えていても、政治家として何をしたいかが伝わらない」と話す。

 「できるだけ早期に原発ゼロ社会を実現」と公約に掲げる国民民主党の元職犬塚直史氏も、11日の武雄市の総決起大会で玄海原発に触れなかった。選挙戦でオスプレイなど佐賀県が絡む国政課題のうち、原発政策だけは発言が極端に少ない。陣営関係者は「支持労組との絡みがある」と電力関係者への配慮を示唆する。

 川内原発(鹿児島県薩摩川内市)が立地する鹿児島選挙区の自民現職、尾辻秀久氏は、12日夜に鹿児島市で開いた総決起大会で社会保障を前面に訴え、原発への言及はなし。

 一方、九電労組を抱える連合鹿児島が推薦する野党統一候補の無所属新人、合原千尋氏も政見放送で「原子力に依存しないエネルギー政策を確立する」と述べるにとどまる。陣営の国民県連幹部は「野党の中にも原発についての主張に差があり、最大公約数的な話しかできない」と話す。

 元霧島市長で無所属新人の前田終止氏も、原発に関する発言は乏しい。

 薩摩川内市出身の男子大学生(19)は「各候補の原発政策が分かりにくく、名前を連呼されても選びようがない。候補者はネットも活用して政策を訴えてほしい」と注文した。

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