女性活躍推進 不平等の現実捉え論戦を

西日本新聞 オピニオン面

 今回参院選の全立候補者に占める女性の割合は28・1%で、過去最高となった。とはいえ、昨年施行された「政治分野の男女共同参画推進法」は、候補者をできるだけ男女均等にするよう政党に求めている。物足りない数字というほかない。

 野党は概して積極的に女性を擁立したが、自民党は約15%、公明党は約8%にとどまった。安倍晋三政権が掲げる「女性活躍推進」は、看板倒れとの批判を受けても仕方あるまい。

 世界各国で男女格差の是正が進んでいるが、日本は国際潮流に乗り切れていない。世界経済フォーラムの2018年男女平等度ランキングで、前年より順位を上げはしたが149カ国中110位だった。政治分野だけでなく、管理職比率や高等教育機関の入学割合など経済、教育の分野でも男女の開きがある。

 与野党を問わず多くの党が、女性の社会参画推進を参院選公約に掲げている。さまざまな男女不平等が存在する現実を直視し踏み込んだ論戦を求めたい。

 働く女性にとって、認可保育所などに入れない待機児童の問題は切迫した現実である。保育施設の整備は進むがニーズの増加に追いつかず、解消への道筋は見えない。保育士が十分確保できない状態も続いている。

 今秋、幼児教育無償化が始まる。待機児童がさらに増える懸念がある。どうすれば、保育の質を高めつつ、受け皿を拡充できるのか。各党は具体的な道筋を示すべきだ。無償化の是非や制度設計についても、議論を深める必要があろう。

 無論、子育てを女性だけに委ねるわけにはいかない。男性の育児休暇取得率は1割にも届かない。男性が育休を取得しやすい環境整備も喫緊の課題だ。

 女性の社会参画が進まない背景には、「男性が仕事をして家族を養う」「女性は家庭を守り子どもを産んで育てる」といった、性別役割分業意識や家族観があることは間違いない。

 現行法では、婚姻に伴い、夫婦の一方が姓を改める必要がある。現状では妻が夫の姓に変わるケースが大半で、結婚後も働き続ける女性は旧姓を通称として使うことが多い。

 政府の男女共同参画基本計画には、選択的夫婦別姓制度の導入が検討課題として盛り込まれている。選挙を機に、議論を本格化させてもらいたい。

 女性の社会参画を妨げる壁をなくし、仕事と家庭に対する責任を男女がともに担える社会を実現するために、政治が果たすべき役割とは何か。「良識の府」である参院の選挙戦では、そんな骨太の議論も期待したい。

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