令和の一番山、重責果たす 千代流総務・松本忠人さん

西日本新聞 ふくおか都市圏版

一番山笠・千代流の「棒さばき」を務める総務の松本忠人さん(中央) 拡大

一番山笠・千代流の「棒さばき」を務める総務の松本忠人さん(中央)

 舁き山笠七流が博多の街を疾走した15日早朝の「追い山」で幕を閉じた新時代の博多祇園山笠。「令和最初」の追い山で、真っ先に街に飛び出す重責を果たした一番山笠・千代流総務の松本忠人さん(63)は、全コースを走り終えた後、福岡市博多区千代の詰め所で、前さばき隊長の中島純さん(51)とがっちり握手。「町内の仲間、流の仲間たちがよくやってくれた。無事奉納でき、ホッとしている」と満足感を漂わせた。

 通常は「一生に一度」と言われる流のトップの総務が通算3度目の「山のぼせ」。1度目は2001年で21世紀最初の祭り。今回は令和で最初と、節目の年に要職を引き寄せる強運の持ち主だが、「念願の一番山笠の総務だけど、(令和初を)願っていた訳ではないし、これもご縁だと思う」とあくまで自然体だ。

 千代に生まれ。千代小、千代中で学び、福岡高でラグビーに打ち込んだ筋金入りの「千代の男」。この日は、一番山笠総務として櫛田入りの途中で「博多祝い唄(うた)(祝いめでた)」を朗々と歌い上げた。櫛田入りのタイムは33秒00で4位だったが、得意の全コースは、廻(まわ)り止めまでの約5キロを29分28秒で駆け抜け、2位に食い込む意地を見せた。

 すべてが終わった後、地元で行われた来年の当番町へ山笠台などを引き継ぐ儀式。台上がりの松本さんが「本日をもって舁き山笠の行事を滞りなく終えました」と口上を述べる間、山笠台の前に立ち並ぶ3人の当番町取締の中には、前さばき副隊長を務めた長男洋典さん(32)の姿があった。

 いったん法被を着れば、流の幹部が「親子の雰囲気はまったく感じられず、上下関係しかない」と驚くほど緊張感漂う関係。松本さん自身も「息子のことは頭の中に置いていない」と冷徹だ。だがこの日、洋典さんの働きについて問われると「副隊長だけでなく、3人ともよくやった。もちろん合格点」。相好を崩した時、父親の顔が垣間見えた。

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