韓国仲裁委受け入れず 徴用工問題

西日本新聞 総合面

 【ソウル池田郷】韓国大統領府高官は16日、元徴用工訴訟問題を巡って日本政府が要請していた仲裁委員会の開催を受け入れない方針を明らかにした。1965年の日韓請求権協定に基づく紛争処理手続きが不調に終わる可能性が高まり、安倍晋三政権の反発は必至だ。文在寅(ムンジェイン)政権も日本による輸出規制強化を事実上の制裁措置として強く非難。双方が自国の主張の正当性を国内外に訴える応酬が続きそうだ。

 日本は請求権協定に基づき仲裁委員選定に関して行った提案への回答期限を18日としていた。韓国大統領府高官は16日、18日までに「特に回答しないだろう」と述べた。回答がない場合、日本は国際司法裁判所(ICJ)への提訴を検討するが、韓国の同意がなければ審理は行われない。

 安倍首相は7日の民放番組で、請求権協定によって元徴用工らに対する賠償問題は解決済みとの立場から「(元徴用工問題で)韓国は国際約束を守らないことが明確になった。貿易管理も守れないだろうと思うのは当然だ」と批判。文氏も15日、日本の輸出規制強化について「韓国企業は日本依存を脱し、輸出先の多角化や国産化の道を進むだろう。日本経済により大きな被害が及ぶということを警告しておく」と反論を強めた。

 首脳同士による批判の応酬は国内外の世論を強く意識しており、歩み寄りの気配は見えない。両国は世界貿易機関(WTO)の一般理事会などでも激しく対立する可能性が高い。

 韓国最高裁は昨年10月、日本企業に元徴用工らへの賠償を命じた。日本は1月、請求権協定に基づく2国間協議を韓国に要請したが、韓国が応じなかった。日本は5月に第三国の委員を加えた仲裁委の開催を韓国に求め、6月には委員の人選を第三国に委ねることを提案していた。

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