140年前の1879年7月14日、「海港虎列刺病伝染予防規則」が公布された…

西日本新聞 オピニオン面

 140年前の1879年7月14日、「海港虎列刺病伝染予防規則」が公布された。虎列刺は「コレラ」と読む。わが国で最初の統一された検疫規則だ

▼幕末の開国で外国との交易が盛んになる一方、海外ではびこるコレラやペストなどの危険な感染症が国内に広がる恐れが強まった。実際、しばしば流行し、多くの犠牲者を出した。このため、疫病を水際で食い止める検疫の強化が急務となった

▼明治政府は、長崎など各地の開港地に検疫所を設置。寄港する船舶に対し、乗客の検診や停船措置などに本腰を入れた。これにちなみ、7月14日は「検疫記念日」とされる

▼現代では、感染症の防止だけでなく、有害な動植物が国内に入らないようにすることも検疫の重要な役割だ。全国の空港や港湾にある検疫所が目を光らせている

▼この害虫は、どうやって入り込んだものか。イネやトウモロコシに寄生する「ツマジロクサヨトウ」。熱帯地域が原産のガの仲間だ。幼虫が作物を食い荒らし、アフリカなどで甚大な被害を与えた。その厄介者が福岡、佐賀を除く九州・沖縄6県で見つかったという。農林水産省は早急な駆除を呼び掛けている

▼ちなみに、コレラの感染者が見つかって沖に足止めされた船を「コレラ船」と言う。夏の季語だ。高浜虚子に<コレラ船いつまで沖に繋(かか)り居る>の句がある。クサヨトウいつまで畑でかじり居る。一刻も早く追い払わねば。

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