仏様にささげる線香の香り

西日本新聞 くらし面

さまざまな色や香りがあるお香 拡大

さまざまな色や香りがあるお香

贈るときは少量サイズを選ぶのが望ましい

 猫の小町と申します。皆さんがお困りのことをたちまち解決していきます。第3水曜は、さまざまな場面のマナーについて、「インフィニ フィニッシング アカデミー」(福岡市)の副校長本多美智子さんにお助けいただきます。

●お盆の風習

 先祖や故人の霊を迎え、家族で祭るお盆。今回はお盆と、それに欠かせない線香についての話です。

 お盆の正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」で、古代インドの文語である梵語(ぼんご)の「ウランバナ」(逆さ吊(づ)りの苦しみ)に由来します。仏教故事にちなみ、苦しみから故人を救うための行事とされています。お盆の時期は地域や宗派によって異なります。

 家庭では、故人の霊を迎える盆棚を8月13日の午前中までに作り、花や初物の果物などを供えます。夕方に玄関先で麻幹(おがら)(麻の茎)を燃やし、迎え火とします。一般的には16日に送り火をたき、霊を見送ります。

 身内が亡くなってから初めて迎えるお盆を「初盆」といい、手厚く供養します。初盆の法要に参加するときは、喪服または礼服が基本。案内状に「平服でお越しください」と書いてある場合、喪服ではなく、男女共に黒を基調としたスーツやブラックフォーマルが良いでしょう。ジャケットの中に着るブラウスやシャツは、色や柄物は避け、白の無地を選ぶのが無難です。

●お香と線香

 儀式や法要、あるいは家庭の仏前での焼香や墓参りに欠かせない線香は、私たちの生活にごく自然に存在しています。実際に使ったり、お供え物として贈ったりする際の疑問についてお答えします。

 Q 茶道で使うものや室内用、仏事の線香の違いは?

 A 茶道では、原料の粉末を蜂蜜などで練って丸めた「練香(ねりこう)」を使います。灰の熱によってじんわり香りを引き出し、煙は立ちません。

 香り自体を楽しむお香は「空薫物(そらだきもの)」と呼ばれます。お香は最近、外国人が土産として求めることも多いとか。スティック型と渦巻き型があり、香炉や香立てで空間を演出します。

 室内香のほか、仏事も直接火をつけてくゆらせる線香が一般的です。線香は緑や茶色の印象が強いですが、仏教の五色(赤、青、黄、白、黒)や高貴とされる紫、山吹色なども使われます。

 Q 線香選びのポイントは?

 A 室内用は空間のにおい消しや場の浄化に用います。ラベンダーやミントなど香りの効能も考えて選ぶと良いでしょう。

 仏事の線香は、香りや煙を仏様にささげるためにたくもの。故人が好きだった香りでも、家族は苦手という場合があるので、気持ちよく手を合わせられる香りで、煙の少ないものが良いでしょう。命日やお彼岸、お盆など、改まった場合には、沈香(じんこう)や伽羅(きゃら)、白檀(びゃくだん)といった天然香木を使った線香を用いたいものです。

 墓参りで使う線香は、安価な「杉線香」がいいでしょう。杉の葉が主原料で香料は使われていないため、香りは杉の葉の燃焼香です。煙が多く出るため屋外向けとされています。

 Q 線香を贈るときのマナーは?

 A お盆や年末の時季、お悔やみのあった家に大量の線香が届くことがあります。贈る時は、大きな箱入りの物より、少量サイズの最上級線香を選ぶのがスマート。香りも上品です。掛け紙の表書きは、一般的に使える「御供」にします。専門店や百貨店から配送する場合も、一言したためたカードを同封したり、別途はがきを送ったりするなどの心遣いをしたいものです。

 日本の仏教の多くは、1本の線香を立てて使いますが、浄土真宗は1本を半分に折って寝かせ、天台宗や真言宗は3本立てて使用するのが一般的です。宗派のほか、寺院や地域によって作法の違いもあるようです。

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