透析患者の送迎力貸して 福岡市のNPOドライバー募集

西日本新聞 ふくおか都市圏版

 人工透析患者の通院を有償で手助けする福岡市のNPO法人「通院送迎センター ステップ福岡」は、患者を自家用車で送迎するボランティアを募集している。人手の不足と高齢化で患者の需要に応えられない状態が続き、「活動継続に力を貸してほしい」と呼び掛けている。

 標準的な透析の頻度は週3回。前後は体力が著しく低下することなどから、公共交通機関の利用が難しい患者も多いという。一方、タクシーでの通院は月に数万円かかる場合もある。患者の負担を軽減しようと1999年、市内の透析患者の会と有志でステップ福岡を設立。低額での送迎事業を始め、2003年度には利用者55人をボランティア72人で支えた。

 06年の道路運送法改正で「福祉有償運送」が制度化され、有償で送迎できるのは国が認定する講習を修了したドライバーだけになった。その講習は福岡市では年に1回だけ。時期が合わずに北九州市などに行かなければならない志願者も出てきた。

 福岡市の担当課によると、17年の受講者は11人で定員の約半分。回数を増やすことは現実的でないというが、ステップ福岡の野上隆生理事長(72)は「タイミングを逃し、支援の申し出を見送る人もいるのでは」と残念がる。

 担い手の中心だった世代が再雇用で長く働くようになったことも影響し、17年度はボランティアが34人まで減った。利用者数は55人と変わらず、1人で複数を担当するボランティアも多い。平均年齢は年々上がり、現在は70歳近い。

 昨秋から送迎支援を始めた同市南区の帆足順一さんも68歳。週3回の送迎は「負担でないと言えば嘘になる」と明かすが、「ボランティア抜きでは福祉は成り立たない」と語る。

 帆足さんの車で同市・天神の医療機関に通う南区の茅野昌代さん(61)は、90代の父と2人暮らし。これまでは月4万円近い通院費が家計を圧迫してきたが、ステップ福岡の利用を始めて負担は3分の1以下に。「帆足さんに申し訳ない気持ちもあるけど、本当に助かる。早く体力を付けてバスで通えるようにならなきゃね」と笑顔を見せた。

 「自由な外出が難しい患者さんと接すると、車窓の景色や風の匂いが特別に感じられる」。野上理事長は活動の魅力をそう語る。現在はボランティアの負担を増やさぬよう、利用希望を断る状況が続いている。「少しのお手伝いしかできないが、その少しが大きな救いになる」と呼び掛けた。

 ステップ福岡=092(843)3801。

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