調べると、辻、峠、笹(ささ)、榊(さかき)…などたくさん出てくる…

西日本新聞 オピニオン面

 調べると、辻、峠、笹(ささ)、榊(さかき)…などたくさん出てくる。働や躾(しつけ)という字もそう。漢字の字体に倣い日本で作られたとされる和製漢字(国字)だ

▼風という字から派生したものがいくつかある。木を枯らす木枯らしは凩とも書く。風がやんだ状態のなぎは凪と書く。海辺の地域の朝凪、夕凪

▼公開中の映画「凪待ち」は、川崎から東北の港町石巻に移り住んだ男が主人公。やめたはずのギャンブルに落ちていく主人公と「家族」の話。東日本大震災で妻を亡くした老漁師が重く絡む群像劇

▼映画の題名と、「主演香取慎吾」に引かれて映画館に行った。その日の新聞には、元SMAPのうち香取さんら3人について「ジャニーズ事務所が民放などに対し出演させないよう圧力?」と出ていた

▼スクリーンで自分の世界を広げた香取さんは、今月6日付の本紙インタビュー欄「Get」で話していた。「今回、『あまり見たことがない香取慎吾だ』とみなさんが言ってくれるのは、白石和弥監督があまり見たことがない僕を僕の中から出してくれたんだと思います」

▼香取さんが演じるろくでなしのほかにも、似たような陰を持つ人がいろいろ登場する。弱い人たちに向ける監督の視線は柔らかい。現代社会が日ごと色を濃くする不寛容への抵抗のようなもの。「主人公の再生と街の再生がゆっくりシンクロする感じにしたかった」そうだ。凪を待つ心象風景に誘われる。

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