【小児がん 母と娘の闘病日記】(17)娘から 「戦友」たちとのキャンプ

西日本新聞 医療面

 退院してから、私には新しい世界ができました。小児がんを経験した友達や先輩、後輩が集まる所です。私が11歳の時、福岡で小児がん経験者の支援団体「にこスマ九州」が発足。代表は、私も入院中にお世話になった臨床心理士さん、運営スタッフは小児がんを経験して成長した人たちが担っています。

 最初の活動は、小児がんの子どもを集めての「にこにこスマイルキャンプin九州」。私も入院仲間と参加しました。みんなでゲームをしたり、青空の下でご飯を食べたり、大きなたき火を囲んだり…。入院中にできなかったことを思いっきり楽しめる場所でした。

 普段、学校に行ったり、街を歩いたりしていても、なかなか小児がん経験者には出会えません。このキャンプでは抱えている悩みを忘れて楽しみ、同じ経験をした友達や先輩と触れ合うことができます。

 髪の毛が抜けていた頃は人目を気にしながら歩いていましたが、ここでは全然気にならない。来ているみんなが同じ経験をしたからです。体力がなくてもできる範囲で活動し、いつでも休憩したり薬を飲んだりできる。学校の部活動に参加できなくても、何でも教えてくれる頼もしい先輩やかわいい後輩ができる。それが私たちにとって、どんなにうれしいことか。

 あっという間に過ぎていく楽しい時間があることを、初めて実感した場所かもしれません。毎年欠かさず参加して、気付けば10年がたっていました。

 大学生になってからは運営スタッフとして関わっています。一緒に闘病した仲間、キャンプで仲良くなった先輩。みんなで考えながら、小児がんになった子どもたちとその家族の居場所をつくっています。

 もうすぐ、一緒に入院していた「戦友」がまた1人、スタッフに加わってくれます。仲間とこんなに充実した活動ができる日が来るなんて思いもしなかったな。

 (山本芙優=北九州市立大3年)

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