九州北部で記録的大雨 久留米、史上最大24時間雨量335ミリ

西日本新聞 社会面

大雨で川のようになった道路=21日午前6時45分ごろ、福岡県久留米市梅満町(写真の一部を加工しています) 拡大

大雨で川のようになった道路=21日午前6時45分ごろ、福岡県久留米市梅満町(写真の一部を加工しています)

大雨でのり面が崩れた筑後川の堤防=21日午後2時半ごろ、佐賀県みやき町

 台風5号に南から暖かく湿った空気が流れ込んだ影響で九州北部地方は21日、各地で大荒れの天気となった。福岡県久留米市では21日夕方までの24時間雨量が、平年の7月の1カ月分を上回る335・5ミリに達し、観測史上最大を記録。九州は22日も大気が不安定となり、局地的に激しい雨が降る恐れがある。

 九州北部には21日未明から「線状降水帯」とみられる発達した帯状の積乱雲が次々と流れ込んだ。午前6時までの1時間雨量は久留米市で90ミリ、佐賀県鳥栖市で81・5ミリと観測史上最大となった。周辺ではレーダー解析で1時間に110ミリの猛烈な雨が降ったと推定され、気象庁は「記録的短時間大雨情報」を発表した。

 九州豪雨被災地の福岡県朝倉市では1時間に65ミリの非常に激しい雨が降ったほか、鹿児島県枕崎市や宮崎県国富町などでも1時間雨量が50ミリを超えた。18日からの総雨量は長崎県対馬市厳原466ミリ、大分県佐伯市宇目410・5ミリなど。

 22日午後6時までの24時間予想雨量はいずれも多いところで、福岡、佐賀両県で100ミリ、熊本県80ミリ、長崎、大分両県で60ミリ。気象庁は、土砂災害や河川の増水・氾濫への警戒を呼び掛けている。

 台風5号は21日、朝鮮半島を横断して日本海に進み、同日夜に温帯低気圧に変わった。

■冠水、車水没、鉄道不通 筑後川、のり面崩落

 九州北部地方は21日、台風5号の影響で大雨が降り、福岡県久留米市などで記録的な雨量を観測した。同市で女性(94)が避難中に転倒して骨折する負傷者が出たほか、各地で建物や道路の浸水被害が相次いだ。鉄道や高速道路は不通となった区間もあり、交通網に大きな影響が出た。

 福岡県では、久留米市と朝倉市、筑前町の約2万2千世帯約5万7千人に避難指示が出た。久留米市では床上浸水26棟、床下浸水280棟(いずれも推計)の被害。筑後川の2支流など計11カ所で水があふれ、計14人が消防団にボートで救助された。市中心部でも複数の幹線道路が冠水。市営地下駐車場に雨水が流れ込み、26台が水没した。

 同県小郡市では、イオン小郡ショッピングセンターの敷地全体が冠水し、この日は臨時休業した。同店は昨年7月の豪雨でも浸水し、3カ月休業していた。

 同県飯塚市では、民家の裏山が崩れて土砂が家に流入。北九州市でも鉄道の下をくぐり抜けるアンダーパス1カ所が冠水した。

 佐賀県みやき町では、筑後川の堤防ののり面(幅30メートル、長さ5メートル)が崩落した。大分県佐伯市では市道で県指定文化財のカシの木が倒れて通行止めに。撤去には県の許可が必要で、週明けまで動かせないという。

 20日に猛烈な雨に見舞われた長崎県では43カ所で崖崩れが発生。長崎市では民家の裏の斜面が崩れ、窓ガラス1枚が割れた。

 交通も終日乱れた。西日本高速道路は早朝から、九州自動車道や長崎自動車道で、鳥栖ジャンクションを中心に一部区間を通行止めに。西鉄は高速バス19路線で約千本を終日運休した。天神大牟田線の筑紫‐柳川間、甘木線の全線が一時不通となり、計210本を運休し約2万6千人に影響が出た。JR九州も鹿児島線の二日市‐荒尾間で一時運転を見合わせたほか、九州新幹線の2本を運休するなどした。

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