安達氏 13市町で勝利 政党色出さず運動 参院選大分

西日本新聞 大分・日田玖珠版

 21日投開票された参院選大分選挙区は、野党統一候補の無所属新人安達澄氏(49)が初当選を果たした。安達氏は推薦を受けた連合大分などの基礎票を固め、無党派層への浸透にも成功。足元の支持層を固めきれず、安倍晋三首相ら党幹部を投入して「空中戦」で押し切ろうとした自民現職礒崎陽輔氏(61)を、票を積み上げる「地上戦」で破ったといえる。

 大分県内全18市町村のうち、安達氏が礒崎氏の得票を上回ったのは大分市、別府市など13市町。礒崎氏が上回ったのは、元々自民の地盤が強い佐伯や国東など5市村で、結果から見れば、安達氏の完勝だった。

 なぜ、これほどの差になったのか―。安達氏は立憲民主、国民民主、社民の推薦を受け、共産からも支援を受けた。昨年10月からミニ集会を重ね、組合員約5万人を抱える連合大分を軸に、各党の基礎票を固めていった。比例代表候補の支援にフル回転した社民も「支持拡大に貢献した」(陣営幹部)という。

 一方で陣営は、無所属として政党色を極力出さない戦略を取り、これも奏功した。安達陣営は、有権者の約4割を占める大分市、別府市を「天王山」と位置付け、重点的に遊説。ポロシャツ姿で爽やかさや若さを全面的に打ち出して無党派層の取り込みを図り、支持は加速度的に拡大。知名度などから優勢だった礒崎氏を終盤で差しきった。

 これらの状況は、県内の参院選比例代表の政党別得票と重ね合わせてみると、分かりやすい。比例での得票は社民7万3562票▽立憲民主5万1807票▽国民民主3万1499票▽共産2万9822票―で、4党で計18万6690票。安達氏が獲得した23万6153票の約8割を野党共闘で固め、残りの約5万票について無党派層を取り込んだことになる。

 3選を目指した礒崎氏は当初、自民支持層が厚い地方に重点を置いた。ただ、県内で活動を始めたのは今年の春先で「動くのが遅かった」(陣営幹部)。礒崎氏は2期12年の任期中、首相補佐官などを務める一方、県内に入った回数は比較的少なく、関係者は「全体的に自民支持層が冷めていた」とも漏らす。4月に統一地方選を戦った地方議員の動きは芳しくなく、党本部主導で大物を投入して逃げ切りを図ろうとしたが、礒崎氏個人への支持が打ち込めず、関係者は「選挙運動が上滑りしているという懸念が現実化してしまった」と言う。

 礒崎氏は21日深夜、大分市内で支持者ら約200人を前に「私の不徳の致すところです」と深々と頭を下げた。その姿は、3年前の参院選で終盤に野党統一候補に追い抜かれた自民新人の姿とダブっていた。自民の阿部英仁県連会長は「予期せぬ負け方。大きな薬として次に臨む」と危機感を隠さなかった。

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