記録的大雨から一夜 久留米、小郡で懸命の復旧作業

西日本新聞 筑後版

 久留米市や小郡市を襲った記録的な大雨から一夜明けた22日、各地で浸水被害の片付け作業が始まった。工場が漬かり生産計画への影響が避けられない事業所や、休業を余儀なくされた店舗も。昨年に続き浸水被害を受けた業者は「もっと早く危機が分かれば対策もできるのに」とこぼした。

 市街地の水路や、側溝の水が流れ込む筒川があふれた同市東櫛原町一帯。アイスクリーム製造地場大手の丸永製菓は本社と工場が漬かり、この日は休業して製造ラインを点検。同社の永渕寛司取締役は「過去最悪の被害。書き入れ時の夏を前に一刻も早い生産再開を目指す」と話した。近くの久留米中央公園歯科も患者の予約をキャンセルし、泥水のかき出しに追われた。山崎公継院長は「昨年7月の西日本豪雨は大丈夫だったのにどうして」と戸惑いの表情を浮かべた。

 池町川が越水した久留米市鳥飼地区では、ギョーザ製造・販売の久留米真心食品(同市梅満町)が昨年に続いて店に浸水。藤本浩明社長らが復旧作業に汗を流した。再開まで約3カ月を要した前回と比べれば被害はまだ小さいが「泥水が入り清掃や消毒に数日かかる」とため息をついた。

 昨年に続き冠水した小郡市のイオン小郡ショッピングセンターはこの日も臨時休業。電気設備業者が店内で点検作業をしたが、復旧のめどは立たなかった。

 同じく昨年に続き被災した同市大崎の認知症高齢者向けグループホーム「めぐみ苑」(16人入居)では最大約60センチの高さまで浸水。この日は館内清掃や空調設備の復旧に追われた。施設管理者の鷺池彩美さん(33)は「いくら備えても限度がある。つらいですね」。

 豪雨前、市から線状降水帯の接近を伝える連絡があり、出入り口に土のうを積んで備えた。深夜や早朝は職員が少なく、夜勤だった高田裕樹さん(37)は「浸水がひどくなる前に1階の居住者を2階に移した。対応策をとるために、早めに情報がほしい」と振り返った。

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■キュウリなど農作物被害も 筑後地区

 筑後地区は22日も大牟田市で1時間に50ミリを超す大雨が降るなど、不安定な天気が続いた。

 大牟田市では午前9時すぎまでの3時間雨量が104・5ミリに達した。排水が追い付かず一時は道路の冠水が相次いだ。市は同9時半すぎに災害対策本部を設置し、全域に自主避難所計28カ所を開設。累計で計25世帯27人が避難した。

 同10時すぎに雨はほぼ上がり、午後3時半に避難所と対策本部を閉鎖した。市によると、七浦町の民家1棟で床上浸水の被害が確認されたという。

 久留米市でも午前8時ごろに強い雨が降り、日中も時折雨脚が強まった。数世帯が避難したが午後までには帰宅した。

 農作物への被害も広がっている。JAくるめによると、久留米市の宮ノ陣地区のキュウリ、安武・荒木地区のコマツナ、合川・山川地区のサラダ菜などが水に漬かり、昨年7月の西日本豪雨に続いて浸水被害に遭った地域もあるという。被害の詳細は調査中。

 一方、久留米市が21日の大雨による住家被害を精査したところ、床上浸水が26棟から196棟(推計)に増えた。床下浸水に計上された被害が、床上だったことが新たに把握できたという。また小郡市の床上・床下浸水は概算で230棟に上った。

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■豪雨被害相談窓口を開設 久留米市、ボランティア募集も

 久留米市は22日、市役所本庁舎3階に豪雨被害の相談窓口を開設した。公的支援を受けるのに必要な罹(り)災証明書の申請受け付けなども始まった。各総合支所も電話相談を受け付ける。

 災害ごみも宮ノ陣クリーンセンターと上津クリーンセンター(可燃ごみのみ)で受け入れを開始。水損が確認できれば無料となる。家の消毒を希望する人には無料で行う。窓口は午前9時~午後5時15分=090(8832)0785。

 また、市社会福祉協議会は同日、片付けや泥のかきだしなど災害ボランティア派遣の依頼受け付けを始めた。5人以上のグループを対象にボランティア募集も行う。ボランティアセンター=0942(34)3035。

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