鎮西、逆境越え初戦突破 熊本地震で全壊、3年ぶり道場再建 金鷲旗

西日本新聞 社会面

 金鷲旗高校柔道大会第2日の22日、3回戦に駒を進めた鎮西(熊本市中央区)の柔道場は昨年10月、ようやく再建された。2016年の熊本地震で全壊、選手たちはこの3年近く、他校や公共施設を借りて“出張稽古”を続けてきた。東家瑞貴主将(3年)は「震災を経験し、練習できることのありがたみに気付いた」。感謝を胸に上位を狙う。

 新道場は再建した体育館の1階で、広さ約580平方メートル。畳は元の道場で使っていたものを再利用、スプリングは新調した。耐震、免震性も強化し熊本地震と同程度の地震が起きても耐えられるという。

 最大震度6強の揺れが襲った16年4月。本震で天井は落ち、窓ガラスが全て割れた。直後に駆け付けた小森洋光監督(40)は「とても中に入れる状態ではなかった」。当時鎮西中3年だった東家主将は、熊本県大津町の自宅が被災。約1カ月間、車中泊や避難所生活を余儀なくされた。「余震もあったし、いつまでこんな状況が続くのか、不安だった」と振り返る。

 部員の多くが被災したが、大会前だったこともあり本震から約1週間後には練習を再開。小森監督らが道場を探し、熊本市外や福岡県まで約1時間かけてマイクロバスで部員を送迎した。外部での練習はわずか1時間程度。部活の練習量は従来の4分の1ほどでも、各自が走り込みやストレッチで補って工夫を重ねた。

 新道場完成後、初の金鷲旗となった今大会、3人残して初戦の2回戦を突破した。小森監督は「持久力が上がっている」と、選手たちの鍛錬の成果を実感。大将の東家主将は仲間をねぎらい「まずは4回戦突破を目指したい」と前を見据えた。

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