【きょうのテーマ】大濠公園を支える仕事 管理事務所を訪ねて 池の水を浄化、樹木の健康確認

西日本新聞 こども面

 九州一の大都会・福岡市で市民や観光客に親しまれている福岡県営「大濠(おおほり)公園」。大きな池と豊かな緑が広がる憩いの場です。この公園をきれいで安全な空間に保つために日々汗を流す人たちがいます。こども記者が大濠・西公園管理事務所を訪ねて取材しました。

【紙面PDF】きょうのテーマ=大濠公園を支える仕事

 ●欠かせぬボランティアの協力

 大濠公園はヤフオクドーム約6個分、39万8千平方メートルの広さがある。そのうち半分以上の22万6千平方メートルが雨水をためた池だ。池水担当の山野栄司さん(70)が「深さは平均約1・5メートル。貯水量は35万トンなので、25メートルプール1400個分ですね」と説明した。

 池にはコイやフナ、ウナギなどの魚が生息している。昔、海とつながっていたため海水魚のボラもいる。山野さんは「池の水は魚がすめるくらいの水質に保っている」と話し、循環浄化施設に案内してくれた。

 浄化槽をのぞくと少しにごった水が見えた。池の北側にある取水口から取り込んだ池水の汚れを分離して固まらせているという。さらに砂ろ過槽に送り込んで汚れを取り除き、きれいになった水が池に戻される。水路には透き通った処理水が勢いよく流れ出ていた。山野さんは「見た目はきれいだけど大腸菌などが入っている。飲んだり、水路で遊んだりしないように」と言っていた。

    ★  ★

 池の周辺にはアラカシやクロマツ、シダレヤナギなど約130種、1万本の樹木がある。担当者は「私たちに安らぎを与えるだけでなく、虫や鳥、哺乳類にとってはすみかになり、食べ物も与えてくれる大切な役割がある」と教えてくれた。園内では年間40種、千羽以上の鳥が生息するという。取材中には私たちの目の前を、イタチのような小動物が横切っていった。

 樹木は、管理事務所の職員である樹木医らが木製ハンマーなどの診断道具を持って園内を巡回し、異常がないか確認しているそうだ。私たちは樹木の健康状態を診断するため、木製ハンマーでケヤキの木の幹をたたいてみた。健康な部分は消しゴムを硬いところに落としたような「ポン」という音がした。中が傷んで空洞だったり、病気だったりすると音が変わるそうだ。そんな時は枝を切って薬を塗り、肥料をあげるなどの手当てをするという。

    ★  ★

 副所長の松永隆一さん(63)は「自然が守られ、人々が安全に過ごせる公園の運営にはボランティアの協力が欠かせない」と話す。約1400人の会員と39団体が加盟する住民団体「大濠公園をよくする会」は清掃や夜のパトロール、花壇の手入れや利用者にマナーアップを呼びかける活動をしているという。大きな公園はたくさんの人の力で守られているのだと感じた。

■時代とともに姿を変えて 博多湾に続く沼地、城の堀、米軍の兵舎も

 大濠公園が現在ある場所はもともと博多湾に続く沼地だった。大濠・西公園管理事務所の副所長、松永隆一さんは「約400年前に福岡城を建てる時、沼地の一部は埋め立てて武士が暮らし、一部は敵から城を守るための天然の堀になった」と説明した。大濠公園という名前の由来だ。

 約90年前に「東亜勧業博覧会」の会場として整備され、その場所をもとに1929年に公園が開園したという。松永さんは「第2次世界大戦後にはアメリカ軍の兵舎が立っていたり、園内を観光バスが走っていたりした時代もあった」と言っていた。初めて知る話にびっくりした。

 大濠公園と隣の舞鶴公園を一体化して交流広場などをつくる「セントラルパーク」という計画もあるそうだ。時代とともに形を変えながら、いつまでも楽しくて安全な公園であってほしいと思った。

PR

こどもタイムズ アクセスランキング

PR

注目のテーマ