釜山市長、日韓交流再検討へ 姉妹都市の福岡市当惑「まだ詳しい情報がない」

西日本新聞 社会面

 【釜山・前田絵】韓国釜山市の呉巨敦(オゴドン)市長は23日、声明を発表し、日本政府による半導体材料の輸出規制強化を撤回するよう求めた上で、市が主管する日韓交流事業を全面的に再検討する考えを示した。日本の姉妹都市である福岡市や山口県下関市との行政交流に影響が及ぶ可能性がある。

 呉氏は文在寅政権の与党「共に民主党」の所属で、韓国政府と歩調を合わせたとみられる。民間団体と一緒に取り組む事業は、釜山市の立場を伝え、団体の意見を尊重した上で参加するかどうかを判断する。

 声明によると、呉氏は「安倍政権が不当な経済制裁措置を撤回するどころか、範囲をさらに拡大しようとしている」と指摘。「両国の緊張関係は完全に日本政府の誤った政策によるもので、日本国民にも決して利益にならない」と輸出規制強化の撤回を求めた。

 民間交流への影響が懸念されているが、福岡市と釜山市の産学界リーダーによる提言機関「福岡-釜山フォーラム」は当初の予定通り、9月に福岡市で会合を開く方針。メンバーの張済国(チャンジェグク)・東西大総長は「こういう時こそ、民間が対話し、相互理解を深める必要がある」と話した。

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■姉妹都市の福岡市当惑 30周年事業調整入れず

 釜山市の呉巨敦市長が23日に日本との交流事業の再検討を表明したことを受け、姉妹都市として交流を続ける福岡市は情報収集に追われた。釜山側から福岡市に交流見直しに関する連絡はなく、市の担当者は「まだ詳しい情報がない」と当惑。釜山市に派遣している職員を通じて状況を確認しているという。

 両市は1989年に行政交流都市を締結して以来、さまざまな分野で親善交流を続けてきた。30周年を迎える本年度は記念事業の予算も確保しているが、元徴用工訴訟問題などを巡る日韓関係の悪化から具体的な調整に入っていない。

 両市議会も、交互に訪問団を派遣する交流を毎年実施。本年度は福岡側が釜山市を訪れる番だが、実施の見通しは立っていない。ある市議は「政府の関係に左右されず、地域交流は続けていきたいが…」と困惑気味に話した。

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