金鷲旗連覇の国士舘、斉藤存在感 東京五輪「諦めてない」

西日本スポーツ

 ◆金鷲旗高校柔道男子決勝:国士舘〈大将同士〉大牟田(24日・福岡市照葉積水ハウスアリーナ)

 男子95キロ超級で五輪2大会で金メダルを獲得した故斉藤仁氏の次男斉藤立(3年)を擁する国士舘(東京)が、2年連続11度目の優勝を飾り、春の全国選手権との2冠を達成した。大将の斉藤はわずか2試合の出場ながら大将同士の闘いをきっちり制した。東京五輪開幕まで1年となった日、斉藤は同五輪代表入りも「諦めていない」と断言した。

■幼なじみと決勝

 斉藤立という「山」がそびえ立った。国士舘の大将として試合に臨んだのは、作陽との準決勝と大牟田との決勝で、ともに大将同士の闘い1試合ずつの2試合だけ。だが合計数分で存在感を十二分に発揮した。

 「威力が出てきた」と岩渕公一監督がわずか一言で斉藤の成長を説明した。準決勝では全国選手権無差別級王者で、作陽の大将高橋翼(3年)に内股で一本勝ち。斉藤は同選手権の個人戦を欠場したが、初対戦で実力者を軽々と転がした。

 ただ決勝は不本意な形で終わった。副将同士が引き分け、決着は大将対決へ。斉藤は大牟田の大将森健心(同)と気心の知れた仲で、小学生時代から付き合いがあり、中学時代も合宿で同じ畳の上で練習もした。試合前に森から握手を求められ、気軽に応じた。

 しかし、試合となると別だ。身長190センチ、体重160キロの巨体を存分に生かした。3月に左手首を痛め、今回は手首から肘までガチガチにテープが巻かれていた。前半は引き手を切られるなど苦しんだが、95キロの相手に圧力をかけ、最後は森が場外に逃れたとされて三つ目の指導を取られた。反則勝ちの結末に「こんな勝ち方で向こうの選手に申し訳ない。納得しませんね」と斉藤は渋い表情を見せたが、強さの裏返しとも言えた。

 チームとして2年連続11度目の優勝。斉藤自身も2年連続のVだ。「連覇してもまだインターハイがあります。3冠を達成してこそ日本一。絶対に優勝したい」。昨年の全国総体では、金鷲旗決勝で破った天理(奈良)に敗れて準優勝に終わり、高校3冠を逃した。それだけに意識は強い。

 2020年東京五輪も視野に入れる。代表入りへの道は険しいが「まだ諦めてはいません。まずは講道館杯(11月・千葉)。グランドスラム(同月・大阪)もあるので。高校での集大成という意味で全てをぶつけます」と誓う。東京五輪開幕までちょうど1年となった日。17歳の超高校級王者は、世紀の祭典に夢をはせた。

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 【評】先手を取ったのは国士舘。先鋒の岡田が大内刈りで技ありを奪って優勢勝ちした。大牟田は次鋒の竹市が袖釣り込み腰、内股返しの連続一本勝ちで2人を抜き返して反撃。大牟田に傾きかけた流れを、国士舘の副将藤永が引き戻した。中堅の石本に合わせ技で一本勝ちすると、副将の服部とは引き分けた。

 大将同士の決戦は思わぬ形で決着した。体格に勝る国士舘の斉藤が、大牟田の森を徐々に追い込む。両者とも指導2で迎えた後半、圧力を受けた森の足が試合場の外に出てしまい「場外反則」を取られ、三つ目の指導で反則負けとなった。

 先鋒・岡田陸(2年)「チームに流れを持ってくるのが自分の仕事。(決勝は)相手先鋒との試合は良かったが、次鋒に持っていかれた。全国総体に向けて修正したい」

 中堅・道下新大(3年)「次につながる試合にしたかった。逆に相手の意欲を上げさせてしまう結果になり、悔いが残る」

 副将・藤永龍太郎(3年)「立(斉藤)に頼らない試合運びで優勝すべきだった。金鷲旗は2連覇したが、全国総体は立に頼らないで試合を決められるようにしたい」

 大将・斉藤立(3年)「2連覇したけど高校3冠を果たしてこそ日本一。昨年優勝を逃した全国総体で今年こそ勝つ」

 長谷川碧(3年)「決勝までの試合で簡単に負ける自分の悪いところが出て、決勝に出られなかった。全国総体は最後まで勝ち抜く試合をしたい」

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 男子日本代表・鈴木桂治コーチ(国士舘大監督。1997年大会で国士舘の初優勝に貢献)「斉藤は重圧の中、必死に向かってくる相手と闘ったのは良い経験になる。引き手の使い方をもっと練習し、組み手巧者とも闘える選手になってほしい」

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