49年ぶり決勝の大牟田、悲願届かず 主将・森「総体優勝目指す」

西日本スポーツ

 ◆金鷲旗高校柔道男子決勝:国士舘〈大将同士〉大牟田(24日・福岡市照葉積水ハウスアリーナ)

 悲願のVはならなかった。春の全国選手権準優勝の大牟田(福岡)は同選手権を制した国士舘(東京)に決勝で敗れた。1970年以来、49年ぶりの決勝進出。九州勢では99年の東海大二(現東海大熊本星翔)以来20年ぶりの頂点を狙ったが、大将同士の闘いで森健心(3年)が反則負けし、初優勝を逃した。

■次鋒・竹市2人抜きも…

 三つ目の指導を告げられ、場内が静まり返っても、敗者は表情を変えなかった。国士舘との決勝。大牟田の森は大将同士の一戦で超高校級の斉藤のパワーを受け、場外に出て反則負けを喫した。「相手の圧力に負けてしまった。最後の詰めの甘さが出た」。汗と涙を浮かべた。

 一時は大牟田のもくろみ通りになった。「1人、2人を残して斉藤を引き出す」計画通り、準々決勝の大成(愛知)戦で4人を抜いた次鋒竹市大祐(3年)が、決勝でも得意の袖釣り込み腰などで相手の先鋒、次鋒を抜いて逆転。チームを勢いに乗せた。だが、その後に並ばれ、互いの大将は同時に出番を迎えた。

 森は「まともに組んでもやられる。見栄えは悪くても勝たないといけない」と体重が約60キロ重い斉藤を前にしても「V奪還」の目標は揺るがなかった。「最後の一人を倒すまでやり抜くことが自分の役目」と形にこだわらず、左の釣り手で主導権を握られないように動き回り、足を払って隙を狙い続けた。だが奮闘も及ばなかった。

 主将も務める森は、チームの団結を最も大事にしてきた。試合に出ない3年生にも「全員での優勝」を強調し、部員40人が同じ意識を持ち続けるように決勝の前にもミーティングを開いた。愛知県出身で愛知産大三河の竹市慈俊監督を父に持つ竹市は、中学生の時に全日本柔道連盟(全柔連)主催の合宿で福岡県大牟田市出身の森から誘われ、進学先に大牟田を選んだ。「あいつが一緒に頑張ろうと言ってくれたおかげで今の自分がある」。竹市は固い絆でつかんだ準優勝をアピールする。

 大牟田は全国選手権、金鷲旗、全国総体の高校三大大会で優勝がない。今年が学園創立100周年の節目。杉野健次郎監督は「それぞれがしっかりと頑張ってくれたが、この福岡で、この地で応援に応えたかった」と初タイトルを目前で逃し、少し寂しそうだ。だが、はい上がるのはここから。森は「今日の負けを生かし、インターハイ優勝の目標に向かって頑張ります」と真っすぐな視線を向けた。 (広田亜貴子)

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