【ひと】金鷲旗男子で連覇した国士舘の大将 斉藤立(さいとう・たつる)さん

西日本新聞 総合面

 「インターハイで借りを返すぞ」。2年連続の栄冠は手にしたものの、接戦になった決勝戦の幕切れは反則勝ち。敗戦だったかのような空気を一掃すべく仲間を励ました。

 ロサンゼルス、ソウル両五輪の男子95キロ超級金メダリスト、故斉藤仁氏の次男。190センチ、160キロという父譲りの恵まれた体格だが、母三恵子さん(54)によると「負けん気は強いけど、優しい性格」。3月に左手首を負傷したのも、練習中に相手をかばったためだったという。

 父の手ほどきを受け、小学1年から柔道を始めた。「稽古はうそをつかない」が口癖の父の指導は厳しく「怖いという次元ではなく鬼。最初はやめたかった」。少しでも手を抜くときつく叱られた。五輪選手としての将来を嘱望されるようになった今は分かる。「トップレベルのことを教えてくれていたんだな」と。

 左手首は完治しておらず「3~4割の状態」。上腕までテープで固定して出場した。思うように練習できず、いらだちを覚える日々も、克己心を養う機会にした。

 その経験は連覇の懸かる金鷲旗にも生きた。今までにないプレッシャーに襲われた宿舎での夜。「絶対に勝てる。気にしたらあかん」。自分に言い聞かせ、乗り越えた。

 次の目標は高校3冠が懸かるインターハイ制覇。幼い頃からかわいがってくれた祖母(87)に勝利をプレゼントすると決めている。外食に出る際は、祖母をかばい、その手を引いて歩くという“最強の孫”でもある。

 大阪府出身。東京・国士舘高の寄宿舎で仲間と生活する。17歳。

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