ナシ狩り最新農園、伊万里市にオープン 梨農家3代目4人が結集

西日本新聞 佐賀版

 伊万里市大川町の梨農家の3代目たちでつくる「大川三世代」が、観光農園を開いた。ナシの木の枝をつなげた最新式のジョイント栽培方式を採用し、整然と管理された高低差があるナシ畑で、子どもやお年寄り、車いすの人でもナシ狩りを楽しめる。

 山あいにナシ畑が広がる大川町立川地区。1906年に地元青年団が山野を開墾してナシ栽培が始まり、市特産品「伊万里梨」発祥の地として知られる。昭和期には炭鉱で栄えたが閉山で人口が減り、ナシ栽培が地域を支えてきた。

 田園風景の中に昨年秋、青いコンテナハウスが建った。「大川三世代」の発信基地で、メンバーで考えぬいたしゃれた内装は「ブルックリン風」。その日の雰囲気に合わせた音楽を流し、週末にはナシのロールケーキやカレーなどを振る舞うカフェになる。拠点ができ、各地からいろんな分野の人が集まるようになった。

 にぎわいの中、観光農園を13日に初めてオープン。果肉が軟らかく糖度が高い早生種「幸水」が旬だ。農園は樹木の枝同士を連結させたジョイント栽培方式で、実のなる天井の高さに傾斜があり、身長に合った実を取ることができる。

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 「大川三世代」は15年前に発足し、後継者不足が深刻化する産地で話題を呼んだ。現在は田代慎仁さん(53)を中心にナシ農家3代目たち4人で運営。品質へのこだわりと独自のブランド戦略で全国に顧客を開拓し、今後は海外市場も見すえる。完全無農薬や乳酸菌活用など挑戦を続けながら「いいものを作る、お客さんが喜ぶことを考える」を第一に、苦境を乗り越えてきた。

 メンバーは多彩で、広報担当の久保圭太さん(37)は元ラッパー。ナシ農家の跡取りは「もちろん悩みましたよ」と明かしつつ、「でも意地です、戦いです。ビジョンを描けば実現するという、メンバーの思いがあるから面白い」と話す。

 今年5月からは東北大農学部4年の佐々木康祐さん(23)が研修中だ。大川三世代が東京で開いた梨の試食会に参加したのが縁。年末まで休学して大川町の民家の2階に間借りし、農園の草刈りやパソコン業務を手伝っている。「研究室にこもって大学院に進み就職するという道が何か違うと思った。ここではいろんな人に会える。大学を卒業したら、またここに来て自分にできることをしたい」と言う。

 観光農園は入場無料で10月上旬まで開園。ナシは1キロ600円で持ち帰りできる。土日祝日に開園し、平日でも相談に応じる。要事前予約。大川三世代=0955(29)2612。

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