臼杵「日本一」宣言 薩摩中央、夏に110キロ踏破 玉竜旗女子

西日本新聞 社会面

 抜き勝負の団体戦で競う玉竜旗高校剣道大会の華は、1人で相手チームの全選手に勝つ「5人抜き」だ。抜いて勢いに乗った相手と当たる選手にとっては、気おされない精神力が試される。25日に試合が始まった女子の参加校の中には、一心不乱に剣を振るだけでなくユニークな方法で心をたくましくしてきた選手がいる。

 「これより最高にわくわくする朝礼を始めます」

 25日早朝、会場である福岡市東区の照葉積水ハウスアリーナ前の芝生広場に、臼杵(大分)の3年荒井花音(かのん)主将の声が響いた。その後、6人の選手それぞれが目標を大声で叫んだ。大会や練習の前に実践する「すごい朝礼」の時間。

 4月に赴任した松本平監督(25)が選手に呼び掛けて始まった。ポイントは、何事にも「日本一」を付けて最大限に良い状態の自分を想像して目標を叫ぶこと。「今日は日本一、粘り強く全力で戦います」「日本一、元気に楽しく試合を行います」。目標を語る選手の表情は生き生きとしており、ポジティブな気持ちのまま試合に臨んだ。

 効果はてきめんだった。荒井さんは大会出場者の中では遅いとされる中学校から剣道を始めた。それでも、1回戦で相手大将に2本勝ち。チームが敗れた2回戦は3人を抜いた相手先鋒に面を決め、引き分けに持ち込んだ。有言実行の実践により「忍耐力のある自分に変われた」。悔し涙の後に笑顔ものぞかせた。

 薩摩中央(鹿児島)の3年緋田(あけだ)有花主将は1年時、たった1人の女子部員だった。満足に練習試合を組めない夏休み中、舩迫歩監督(48)から「出たらいいが」と誘われたのが大隅半島を北から南へ110キロをカヌーと徒歩で7日間かけて踏破する青少年自然の家のプログラムだった。

 途中のカヌー移動が大雨の影響で徒歩になることもあった。自然を相手にした、言い訳できない“格闘”を味わい「諦め癖がなくなった」と振り返る。初出場を果たした25日は1回戦で逆転負けはしたが、相手先鋒に面を決めた。「大きな大会で1本取れたのは報われたなと思う」

 それぞれが磨いた精神力を武器に、抜き勝負の最高の舞台で見せ場をつくった。

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