米韓演習反発、対話維持の思惑も 北朝鮮ミサイル

西日本新聞 総合面

 北朝鮮が2カ月半ぶりに短距離弾道ミサイルを発射した。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は6月末、トランプ米大統領と電撃的に会談したものの、7月半ばにも再開するとしていた非核化を巡る米朝の実務者協議は、開催日程の見通しも立たないまま。北朝鮮は米韓が8月に実施予定の合同軍事演習に反発を強めており、ミサイル発射は日本を含めた3カ国の同盟関係を揺さぶる目的もあるとみられている。

 韓国大統領府は25日、北朝鮮のミサイル発射の動きについて「事前に把握していた」と明らかにした。北朝鮮メディアが23日、正恩氏が新たに建造した潜水艦を視察したと報じるなど、軍事的メッセージを発していたからだ。

 16日には北朝鮮の外務省報道官が、8月の米韓合同軍事演習を「わが国への露骨な圧迫」と非難。演習を実施すれば、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を再開したり、米国との実務者協議を見送ったりする可能性があることを示唆していた。

 韓国政府の分析通り今回発射したのが弾道ミサイルなら、国連安全保障理事会の決議違反となる。ただ、トランプ氏は米国本土が射程に入らないこともあって問題視しない姿勢を示しており、22日には実務者協議について「最近、北朝鮮と前向きなやりとりがあった。北朝鮮側の準備が整えば開催されるだろう」と語った。正恩氏は今回も米側の許容範囲内での挑発にとどめた格好で、トランプ氏との対話路線を維持する思惑もうかがえる。

 一方、日米韓の同盟関係が必ずしも万全と言えない中で北朝鮮が行動に出た点が注目される。韓国政府高官は18日、日本との関係悪化を受け、米国も含めた同盟関係の土台となる日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を見直す可能性に言及した。韓国の北朝鮮研究者は、ロシアと中国の軍用機が23日に島根県・竹島(韓国名・独島)の周辺を飛行した動きとも関連づけ「正恩氏は韓米日の同盟関係にくさびを打ち込むタイミングを計ったのだろう」と指摘する。 (ソウル池田郷、ワシントン田中伸幸)

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