民主党、弾劾へ手詰まり感 ロシア疑惑、トランプ氏は「勝利宣言」

西日本新聞 国際面

 トランプ米政権のロシア疑惑捜査に関して24日、連邦議会下院の公聴会で証言したモラー元特別検察官は焦点だったトランプ大統領による捜査介入の疑いに絡み、大統領退任後に訴追される可能性は「ある」との見方を示した。だが、司法妨害の認定につながる新事実は出ないまま。来年の大統領選で政権奪還を目指す野党民主党内にはトランプ氏の弾劾を求める動きもあるが、頼みのモラー氏の証言からも根拠を得られず手詰まり感が漂う。

 モラー氏は同日、二つの委員会で証言。ロシア疑惑捜査についてトランプ氏や与党共和党が、トランプ政権の失墜をもくろむ「魔女狩り」と批判しているのに対し、「疑惑は作り話ではなく捜査は公平だ」と反論。捜査介入の疑いについては「無罪が証明されたわけではない」などと述べ、トランプ氏が潔白とは言い切れないとの従来の見解を改めて示した。

 だが、トランプ氏に不利な情報を引き出そうと民主党議員が質問を重ねても「(公表した)捜査報告書の通り」と繰り返し述べ、踏み込んだ発言を回避。証言は新味に乏しく、民主党の思惑は外れた格好だ。

 モラー氏は司法省の指針に基づき現職大統領の訴追を選択肢にしなかったとした上で、大統領退任後の訴追があり得ると言及した。だがトランプ氏の弾劾を模索する民主党にとっては、明確な不正の事実を示せなければ弾劾の実現は事実上不可能だ。見通しのないまま弾劾手続きを始めれば、政治不信を強める有権者の反発を招く恐れもある。

 公聴会終了後、トランプ氏は記者団に「大統領選に向け民主党には壊滅的な日となった。(疑惑追及は)時間の無駄だ」と勝ち誇った。トランプ氏に批判的な主要メディアも「弾劾は遠のいた」と報じた。

 民主党下院トップのペロシ議長は「疑惑解明を進め事実を積み重ねる」と強調したものの、弾劾手続きの開始については従来通り慎重な姿勢を堅持した。党内では弾劾を求める急進左派が勢力を増しており、ペロシ氏が今後の対応に手間取れば党内の不協和音が高まり、トランプ氏を利する展開につながりかねない。 (ワシントン田中伸幸)

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