育徳館・長、飛び込み面連発 ハードラー剣士

西日本スポーツ

 ◆玉竜旗高校剣道女子2回戦:小禄〈不戦1人〉育徳館(25日・福岡市照葉積水ハウスアリーナ)

 6月の福岡県大会個人戦で3位に入った育徳館(福岡)の大将・長千浩(3年)が新南陽(山口)との1回戦で2人を抜いてチームの逆転勝ちに貢献した。幼なじみは陸上男子400メートル障害で昨秋のユース五輪を制し2024年パリ五輪を狙う出口晴翔(東福岡3年)。チームは2回戦でシードの小禄(沖縄)に敗れたが、長は小学生の時に出口と同じ陸上クラブで鍛えた跳躍力を大舞台で披露した。

 崖っぷちで恐れず跳んだ。1回戦で育徳館の大将の長は、相手副将に起死回生の飛び込み面を決めて1本勝ちした。「相手に取られたら終わりだったので集中した」。延長3回までもつれた大将同士の戦いでも飛び込み面を決め、チームに逆転勝利をもたらした。

 酒井史郎監督が「非常にばねがあり、スピードも速い」と絶賛する飛び込み面。原点は小学3年から中学2年まで掛け持ちした陸上にある。長は「小学校のマラソン大会で年々順位が下がるのが悔しくて」と地元福岡県苅田町の苅田与原RCへ。すると短距離の方が速くなり、小学6年時の県小学生大会では女子80メートル障害で2位に入った。

 幼少期から仲の良い出口も同じチームで4人しかいないハードル仲間。長は「当時から歩幅が大きかったけど、スタートは私の方が速かった」と振り返る。同大会は出口も男子80メートル障害で2位。1位だけが行ける全国大会への出場をともに逃したが、泣いていた長を出口は慰めてくれた。

 出口は昨秋のユース五輪男子400メートル障害を制し、日本陸上競技連盟が支援する「ダイヤモンドアスリート」に選出。パリ五輪出場が期待されている。育徳館中に陸上部がなかったこともあり、剣道に専念した長は「どんどんすごくなっていって…。私も頑張らないとと刺激を受けた」と発奮。スピードと跳躍力を生かした攻めの剣道を磨き、今年6月の福岡県大会個人戦で自己最高の3位に入って九州大会に初出場した。

 シード校と対した2回戦で相手副将に敗れ、チームも敗退。涙を流す長は「陸上を続ければ良かったと思ったこともあるけど、今は地元の皆さんが応援してくれる剣道が好き。大学でもっと活躍したい」と誓った。進む道と成長速度は違っても、前へ進む志は幼なじみと通じている。 (末継智章)

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