「芸」は「藝」の略字に使われるが、元の意味は違う…

西日本新聞 オピニオン面

 「芸」は「藝」の略字に使われるが、元の意味は違う。「芸」は草木、「藝」は習って身に付ける技のことを指す-。3年前に彼岸に渡った永六輔さんの著書「芸人」(岩波新書)で知った

▼〈本来は藝人と書くべきなのだが、「芸」という字には「育てられる草木」という意味があり、それも大切にしたいので…〉。20年以上前の本に、今もうなずける言葉が。〈芸人そして芸人をみつめる世の中そのものが、略字のように薄い、頼りないものになりつつある〉

▼さて、テレビを騒がせている芸能事務所の問題だ。才能を育てる苗床のはずが、「薄く、頼りなく」。ジャニーズ事務所が「SMAP」の元メンバー3人を出演させないようテレビ局に圧力をかけた疑いが浮上した

▼お笑い界では、吉本興業の所属芸人が、会社を通さずに反社会勢力の集まりに出席して金銭を受け取っていたことが発覚。この「闇営業」を巡り、謝罪会見をしたいという芸人に、吉本興業は「会見したら全員クビにする」と言い渡したという

▼業界で絶対的な力を持つ大手事務所の“パワハラ体質”が改めて浮き彫りに。永さんの本には〈芸は商売とは違います。芸をやりますか、それとも商売でいいんですか〉とも

▼騒動収拾のため「芸人ファースト」を徹底する、と吉本興業社長。ちゃいまんがな社長、「お客さんファースト」でっしゃろ、と芸人に突っ込まれても、笑えない。

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