おかえり「マユミちゃん」 27年間不法残留の女性 住民200人嘆願、在留特別許可

西日本新聞 社会面

 27年間にわたり国内に不法に滞在し続けたとして、熊本地裁から入管難民法違反罪で有罪判決を受けたシンガポール国籍の女性(61)について、福岡出入国在留管理局(福岡市)は26日、入管難民法に基づき在留特別許可を出した。女性は強制退去処分を免れ、自宅に戻った。長く暮らした地域で「マユミちゃん」と呼ばれており、近隣住民ら約200人から、在留特別許可を求める嘆願書が入管に提出されていた。

 同法では、1年以上の懲役または禁錮刑の有罪判決を受けた者は原則、執行猶予が付いた場合でも再入国できなくなる。入管は12日付の本紙報道などを踏まえ、「日本人男性と家庭を築いていることなど、人道的観点から諸般の事情を考慮した」としている。今回の在留許可は1年間で、その後は更新手続きが必要となる。

 判決によると女性は1992年3月に入国し、同6月までの在留期間を過ぎても日本に滞在。10年以上前から熊本県湯前町で内縁の夫(70)と清掃業を営み、夫の両親を介護していた。

 今年4月に入管難民法違反容疑で熊本県警が逮捕。熊本地裁が今月12日、懲役2年6月、執行猶予5年の判決を言い渡し、女性は入管に収容されていた。

 26日夜、3カ月ぶりに自宅に戻った女性は「反省しています。でも本当にうれしい」と笑顔を見せた。入管職員に勧められて在留許可申請を行ったという。「職員さんや地元の方、夫に感謝しています」

 夫は「知らせを聞いたときには涙が止まらなかった。嘆願書を書いてくださった方々、本当にありがとうございます」と目を潤ませた。

 女性の帰宅を知った近隣の男性(75)は「本当によかった。おかえり、という気持ちです」と話した。

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