参院選と野党 再建へ成果と教訓生かせ

西日本新聞 オピニオン面

 野党の役割とは何だろう。改めて考えさせる参院選だった。

 何よりも衝撃的だったのは投票率(選挙区)が48・80%と5割を割り込み、史上2番目に低かったことだ。

 これは与野党のいわば連帯責任だろうが、結果的に改選過半数を制した与党を脅かすような政治状況をつくれなかった野党の責任は重い。

 もちろん、野党が有権者の関心を高め、ひいては選挙戦全体を盛り上げる努力を怠ったわけではない。勝敗の行方を左右する32の全1人区で野党5党派が統一候補を擁立し、自民党との一騎打ちの構図をつくり上げたのは、その象徴だろう。

 結果は野党の10勝22敗だった。11勝だった3年前の前回には及ばなかったが、大分をはじめ岩手、宮城、秋田、滋賀など接戦区は「野党が一つ」になったからこそ勝てた。憲法改正の国会発議に必要な3分の2の議席を改憲勢力が維持できなかった最大の要因は、これら統一候補の勝利にあったと言っていい。

 他方、もっと早い段階で共闘関係を築き上げ、候補者の発掘から支援態勢の充実、重要政策の擦り合わせや共通公約の策定ができなかったか-という反省点は残る。

 「反自民」「非自民」という政党レベルの対立軸は明確であっても、野党統一の理念と政策を鮮明にする旗印は欠けていたと指摘せざるを得ない。

 むしろ、立憲民主党と国民民主党の主導権争いなど共闘の意義に水を差す動きが目立ち、与党による「選挙目当ての野合」といった批判を許す側面はなかったか。野党各党は再建に向けきちんと総括すべきである。

 野党の役割を考える上で注目したいのは、「生産性で人間の価値を測らせない」と主張する山本太郎代表のれいわ新選組が比例代表で2議席を獲得したことだ。優先的に当選する「特定枠」で重い身体障害のある2人が当選した。

 社会的にも経済的にも弱い立場の側に立つ。少数意見をすくい上げ、国政へ反映させる。そんな「野党の立ち位置」を再確認してこそ、反転攻勢の展望は開けるのではないか。

 低投票率の背景に「既成政党」に対する有権者の懐疑や不信があるとすれば、野党の側もまた、その例外とは言えまい。

 次の衆院選は野党にとって、まさに真価を問われる戦いとなるだろう。政権選択の選挙であり、基本理念と重要政策に基づく政権構想と政権担当能力が真正面から試されるからだ。

 今回の参院選で得られた成果と教訓をどう生かすか。来るべき衆院選を視野に、国会での連携を含め対応を急ぐべきだ。

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