【ひと】竹バイオマス活用のトマト栽培を探る元製鉄所エンジニア 佐々木悠二(ささき ゆうじ)さん

西日本新聞 総合面

 製鉄所を建設するエンジニアから農家に転身して1年半。古里の福岡県古賀市で、独自のフルーツトマト栽培システムづくりに取り組む。ビニールハウスの暖房に用いる燃料には、荒廃した竹林を主とするバイオマス(生物資源)を活用する計画だ。「化石燃料はいつか枯渇する。豊かな暮らしの維持へ、新しい農業の成功モデルをつくりたい」と力を込める。

 大阪大大学院を経て東京の大手鉄鋼関連会社に就職。福岡県などでプラント建設の工事監督を務め、インドや中国でも事業に参画した。将来を有望視されたが、インドの田舎道で自問した。「日本のために自分は何ができるのか」。同じ頃、農作物や草木から得られるバイオマスへの関心を深め、さらに長女が誕生して腹を決めた。「50年、100年後の子や孫が生きる世の中のために必要な事業を自分の手でつくる」。昨年退社。個人商店「From Tomato」を立ち上げた。

 フルーツトマトを育てるビニールハウスの骨組みには木材を使用。水や養液、温度の調整をコンピューターで管理する。自力で整え建設費を抑えた。ハウス内を暖める燃料は畑近くの放置竹林に求め、竹林再生によりタケノコも副産物にしたい考えだ。

 高糖度で甘味が強いトマトの人気は上々。今夏、2人の友人が事業に加わる。来年中のフランチャイズチェーン展開を目指し、九州大などと地域の生ごみを堆肥にする研究も進める。「トマトから始まる循環型社会」‐。屋号に込めた夢の実現へ挑戦が続く。妻と娘2人と暮らす。34歳。

福岡県の天気予報

PR

福岡 アクセスランキング

PR

注目のテーマ