台湾総統選、争点は「中国」 国民党候補に韓氏正式選出

西日本新聞 国際面

 【北京・川原田健雄】台湾の最大野党、国民党は28日、来年1月の総統選の党公認候補として韓国瑜・高雄市長を正式に選出した。中国への対抗姿勢を強める与党、民主進歩党(民進党)の蔡英文総統とは立場が異なり、総統選では「中国との距離感」が大きな争点になる。二大政党以外の候補の出馬も取り沙汰されており、選挙戦の構図はなお流動的だ。

 台湾メディアによると、国民党は28日、台湾北部の新北市で全国代表大会を開催。党公認に選ばれた韓氏が「無能で、でたらめな蔡政権を引きずり下ろさなければならない」と訴えると会場から大きな歓声が起こった。

 今月中旬に実施された国民党内の予備選で郭台銘・鴻海(ホンハイ)精密工業前会長らに圧勝した韓氏だが、情勢は楽観視できない。影を落としているのが香港の「逃亡犯条例」改正案を巡る混乱だ。「一国二制度」を掲げながら香港への圧力を強める中国に対し、台湾でも反発が高まっている。

 3月に訪中して中国政府高官と会談するなど対中関係の安定を重視し、融和姿勢が目立つ韓氏は支持率が低下。香港のデモについて「よく知らない」と発言したことも批判を浴びた。

 一方、昨年11月の統一地方選で民進党が大敗し、苦境に立たされていた蔡氏は「反中」世論の盛り上がりが追い風となって支持を回復した。今後は対中姿勢をさらに強める一方、米国との良好な関係をアピールして支持を広げる構えだ。

 二大政党への不満の受け皿となりそうなのが無所属の柯文哲・台北市長。過去2回の台北市長選で無党派層の支持を取り込み、総統選への立候補がうわさされる。中国との関係については独立志向の民進党や対中融和路線の国民党と異なり、米中双方と良好な関係を築く「親米友中」を強調する。柯氏が立候補すれば二大政党双方の支持層から票を奪うとみられる。

 国民党の予備選で敗れた郭氏が離党して立候補したり、柯氏支援に回ったりするとの観測も出ており、選挙構図の確定には時間がかかりそうだ。

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