川端康成ゆかりの客室再開へ 夕景に魅せられ半月滞在 宮崎観光ホテル

西日本新聞 社会面

 宮崎市の大淀川河畔の夕景に魅せられた文豪、川端康成が滞在した宮崎観光ホテル西館の部屋が8月1日、当時の趣を残したまま「文豪ゆかりのメモリアルルーム」として新装オープンする。耐震工事に伴う改修で西館全体が洋室化される計画だったが、市民や従業員から保存の要望を受け、ホテル側が同館唯一の和室として存続を決めていた。

 川端は1964年11月、宮崎などを舞台にしたNHK朝の連続テレビ小説「たまゆら」の原作の取材や執筆のために、同館に半月間滞在。初日に目にした夕映えの素晴らしさに感動した川端は滞在延長を繰り返し、ここを拠点に県内各地を巡回したという。

 当時、川端の案内役を務め、滞在中の詳しい言動を著作「夕日に魅せられた川端康成と日向路」(鉱脈社)にまとめた元宮崎交通社員の渡辺綱纜(つなとも)さん(88)は「この部屋から一緒に見た夕映えのことは、今も忘れられない」と振り返る。

 部屋は約50平方メートルの和洋室。和室の基本構造や和洋折衷の床の間、桜の皮を張り付けた床柱、バルコニーなどは当時のまま残し、川端が渡辺さんへ送った礼状(複製)やたまゆらの書き出しの原稿(同)を床の間に展示。テーブルには川端の著書「伊豆の踊子」や「雪国」、宿泊した当時を紹介する冊子も並べた。

 リニューアル初日に夫妻で宿泊予定の渡辺さんは「川端先生ゆかりの部屋が残ったうれしさは、言葉で言い表せない。宮崎の宝になります」と話した。

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