日韓融和へ九産大生がイベント企画 「冷え込む今こそ行動」

西日本新聞 社会面

 冷え込む日韓関係の流れを変えようと、九州産業大(福岡市)の学生が8月3日、長崎県対馬市で島民と韓国人旅行客が交流する利き酒イベントを企画している。舞台となる「対馬厳原港まつり」は、日本の輸出規制に反発した韓国側が、日韓友好のシンボルとして計画した江戸時代の外交使節「朝鮮通信使」の復元船派遣を中止した場。開催の再考を求める意見もあったが、学生たちは「こんな時だからこそ動かねば」と決行することにした。

 国境にあり、古くから関係の深い対馬を訪れる韓国人旅行客はこの10年で急増し、昨年は人口の10倍を超す約41万人に上った。一方で、ごみのポイ捨てなどの問題が顕在化していた。

 観光学を学ぶ学生たちは「観光公害」の実情を考えるため、島を訪問。島民にアンケートしたところ、韓国人観光客を好意的に受け止める人は6割に達したが、ポイ捨てや公共空間の占拠など、マナーの悪さに不満を持つ人も7割に上った。

 同大4年の本告(もとおり)健人さん(22)を中心に「何とかしなくては」と企画したのが利き酒だった。島民や韓国人観光客らが即席の日韓混成チームをつくり、団体戦で九州各地から集めた日本酒の利き酒をする。韓国人の関心が高く、九州の魅力を伝えるのに最適と日本酒を選んだ。

 昨年秋から準備を始めたが、7月の日本による輸出規制に対する反発で、韓国の団体客が軒並み対馬旅行をキャンセル。島内の宿泊数は例年の3~5割に落ち込んだ。

 学生の家族からは心配だからとイベントの延期や中止を願う声も上がったが、「無関心でいては両国は離れていくだけ」と本告さんたちは開催を決めた。

 学生たちはイベント後、釜山に渡って旅行社の聞き取りも計画している。対馬出身の熊中麻里子さん(20)は「これまで希薄だった韓国人と住民の接点をつくり、対馬から交流再生が始まれば」と期待している。

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