広島、長崎の中間点で平和願う 上毛町9月、被爆樹木植樹し式典

西日本新聞 北九州版

 広島市と長崎市の中間点にある上毛町は9月21日、両市の被爆樹木の苗木を植樹し、恒久平和を願う記念式典を初めて開く。国連が定める「国際平和デー」に合わせた。町は今後、平和を発信する新たな拠点とする方針だ。

 植樹は、2020年に創立60周年を迎える広島東南ロータリークラブ(広島市中区、RC)が記念事業として企画。広島市の被爆者で、事業の実行委員長を務める錦織亮雄(あきお)さん(81)が「被爆者、被爆地を越えて多くの人に平和を考えるきっかけにしてほしい」と、中間点から平和を発信するアイデアを思い付いた。

 広島と長崎の爆心地の距離は、直線で結ぶと約300キロ。中間点が上毛町だったことからRCが昨年、町に植樹を提案した。町は受け入れ、広島市と長崎市に植樹と恒久平和に力を入れることを伝えた。

 植樹するのは、東九州自動車道近くの大池公園。「広島の丘」として広島で被爆したイチョウ、クロガネモチ、エノキなどの苗木を、「長崎の丘」として長崎の被爆クスノキと長崎原爆で亡くなった娘を悼み母親が小学校に贈った「嘉代子桜」の苗木を、広島、長崎のRC役員と高校生、上毛町の中学生らが植える。

 町生涯学習・保健福祉複合センター「げんきの杜(もり)」で、平和記念式典を開催。坪根秀介町長が、恒久平和の発信拠点となることを宣言する。自宅で被爆した錦織さんが原爆で姉を亡くしたことなど自らの体験を語るほか、広島市のNPO法人「I PRAY」が広島原爆を題材にした平和創作劇を上演する。式典には、長崎市の田上富久市長らも参加するという。

 当日夜には、大池公園の池をまたぎ広島の丘と長崎の丘を結ぶイルミネーションを点灯させ、上毛町が両市の中間点であることをアピールする。

 町開発交流推進課は「未来へつなぐ平和の架け橋事業として、今後も続けていく」と話している。

 町は2007年に「核兵器廃絶恒久平和の町」を宣言し、今年4月には「日本非核宣言自治体協議会」(事務局・長崎市)に加入した。

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