室見川再生15年目へ 市民団体の活動が浸透 産卵場造成や観察会開催

西日本新聞 ふくおか都市圏版

 福岡市西部地域を流れる室見川を「かつてのように自然豊かな川に」と活動する市民団体「室見川再生を語る会」(山崎惟義会長)が今秋、発足から15年目に入る。福岡大水工学研究室と流域住民らが協力しながら、フォーラム開催や自然観察会、シロウオ産卵場の整備などに取り組んでおり、シロウオやドジョウがあふれる環境の復活を目指す活動は少しずつ地域に浸透してきた。

 同会は2005年9月に発足。室見川の魚影が濃かった頃を知る初代会長井上正彦さん(故人)らが当時、福岡大教授だった山崎さんに協力を求め、流域住民や漁業、農業、利水組合関係者らが集まった。現在会員は21人。

 福岡大と室見川シロウオ組合、語る会が協力して取り組むのがシロウオの産卵場造成。漁獲量が100キロ程度と1970年代の10分の1以下に激減したシロウオの復活を目指し、毎年2月ごろ、河川改修のため砂が滞留して埋もれるようになった汽水域で、産卵向きの石を掘り起こす。当初は学生ら数十人だったが、次第に住民の参加も増え、今年は160人が集まった。

 流域の児童や園児に向けた自然観察会は毎年5回ほど開催。コイやアユなどを取って観察し、生命が宿る室見川に親しむ。姿を見なくなったメダカやドジョウを増やすため、生息に適したビオトープ池整備に取り組み、フォーラムはこれまで7回開催。機関誌「室見川の風」も定期刊行する。

 「治水、利水とともに、どう自然環境を保全し、多様な生態系を維持していくか」と話すのは、語る会の事務局担当で福岡大水工学研究室助教の伊豫岡宏樹さん。「シロウオを増やすには産卵しやすい川づくりとともに博多湾で成長できる環境確保も必要」と指摘する。当面の目標はシロウオを川で取り、その場で味わうシロウオ祭りの開催。さらに、博多湾流入河川だけに生息するハカタスジシマドジョウが絶滅危機を脱し、捕獲禁止が解除されるよう生息数の回復を目指す。

 山崎会長は「室見川を愛する住民の方々が活動を引っ張ってきた。地域住民や学校、児童、保護者を活動に巻き込みながら、自然再生への機運を高めていきたい」と話している。

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