【きょうのテーマ】「金魚のまち」長洲を訪ねる 養殖、明治時代から 大事に育て 町のシンボルに

西日本新聞 こども面

 暑い夏、水中をゆったりと泳ぐ金魚の姿を見ると、涼しい気分を味わえます。夏祭りで人気がある金魚すくいも楽しいですね。熊本県長洲町は九州で最も金魚の養殖が盛んです。第9期こども記者が「金魚のまち」を訪ねて取材しました。

【紙面PDF】きょうのテーマ=「金魚のまち」長洲を訪ねる

 長洲町は熊本県の北西部、有明海に面したおだやかな町だった。私たちは、まず長洲町養魚組合の松井一也組合長(71)が営む金魚の養魚場を訪ねた。

 養魚場は松井さんの自宅そばの屋外にあり、コンクリートで四角く区切られた水槽が30個くらい並んでいた。近づいて水槽を見ると、水は緑色だった。その中を赤や白、黒などの美しい金魚が元気に泳いでいた。

 私たちは金魚を飼う水はきれいな方がいい、と思っていたけれど、松井さんは「金魚がすみやすいのは、新しい水より、日が当たってクロレラなどができた少しにごった水です」と教えてくれた。

 水槽の周りや上には青いビニール製の網が張り巡らされていた。「金魚を食べる鳥やカメの侵入を防ぐため」と聞き、大事に育てられていると思った。

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 松井さんによると、金魚は中国から伝わり、長洲町では明治時代に本格的に養殖が始まった。松井さんは祖父、父の跡を継いだので、家業としては100年以上続いているそうだ。

 松井さんは、金魚の赤ちゃんを白い皿のような物ですくって見せてくれた。卵からかえって数日で体長は2、3ミリ。まだ色は付いていなくて、フナのように茶色っぽかった。ゆで卵の黄身をつぶしたものをえさとして与えているという。

 5センチくらいに育った金魚の水槽では、松井さんが「さわってもいいよ」と言った。私たちが手を入れると、金魚はえさがもらえると思ったのか、たくさん寄ってきて口をパクパクさせ、とてもかわいかった。

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 続いて町営の施設「金魚の館」に行き、長洲町まちづくり課の栗原悠さんと松田萌恵さんに話を聞いた。館内では、いろんな種類の金魚を20個くらいの水槽で展示し、「金魚のまち」をPRしていた。2人は「金魚は町のシンボルです。金魚が関連する祭りもあるんですよ」と言った。祭りの中では金魚すくい大会や金魚の品評会もあって、大勢の人出でにぎわうそうだ。

 最後に金魚すくいも体験させてもらった。栗原さんは、金魚をすくう道具「ポイ」(円形のプラスチック枠に紙をはったもの)をうまく使うこつも教えてくれた。水圧を小さくするために(1)水に入れる時は斜めにする(2)水中では横に移動させる(3)すくい上げる時も斜めに上げる-の3点だ。

 がんばって挑戦したが、5人のうち3人は1匹すくえず、1人が1匹、1人が2匹すくえた。それぞれが悔しかったり、うれしかったりしたけれど、みんな金魚に親しみを感じて、大好きになった。

 ●わキャッタ!メモ
 ▼長洲町の金魚養殖と金魚の館 養殖は明治時代に本格的に始まり、「ふれ売り師」と呼ばれる行商人が「長洲金魚」の名を全国に広めた。長洲町養魚組合の組合員は現在、14人。2017年の金魚の販売数は「すくい金魚」と観賞用を合わせて約54万匹。金魚の館=0968(78)3866=は入場無料。金魚の展示のほか、有料で金魚すくい体験や金魚の立体映像シアターも楽しめる。

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