大学中退し屋台、20歳の挑戦 福岡市で最年少店主が誕生

西日本新聞 社会面

 福岡市内で営業する屋台102軒で最年少となる20歳の店主が1日、誕生した。屋台で働き、大学を中退して公募屋台の2期生に手を挙げた高田吉昌さん。博多区の清流公園に「博多屋台よっちゃん」を開業し、「フレンドリーで、誰でも雰囲気を楽しめる店を」と意気込みを語った。

 高田さんは、福岡県大牟田市出身。昨春、大学の先輩に紹介され、清流公園の別の屋台「中洲十番」でアルバイトを始めた。

 居酒屋などでのバイトとは、全く勝手が違った。注文はメモを取らず耳で覚え込み、素早く調理しどんどん提供していく。お客さんに楽しんでもらう会話のスキルも求められる。最初はうまく対応できず、毎日のように店主の田中博臣さん(46)に怒られた。

 少しずつ任される業務が増え、他の従業員に指示を出す立場になっていくにつれ、自ら「店を回す」楽しさを覚えた。客数や売り上げにも貢献。「自分の道は屋台だ」と直感し、昨秋退学して田中さんの会社の社員になった。

 市の屋台公募の話を聞いた時、「自分で考えたやり方で稼ぎたい」と迷わず手を挙げた。審査では、中洲十番での経験と実績を訴えて見事に合格。すると、田中さんは中古の屋台を格安で譲渡し、経営指南もしてくれた。「屋台を持てたのは、中洲十番と、開業資金を貸してくれた親のおかげです」と感謝する。

 高田さんの屋台「よっちゃん」のコンセプトは、「博多らしさ」と新しさの融合。食べ物は串料理やラーメンといった屋台の王道をそろえる一方、飲み物はバー経営を目指す同級生に任せ、カクテルなどの若者向けも採り入れる。

 「出身も国籍も違う人が隣同士に座り、わいわいできるのが屋台の一番の魅力。楽しく食べて飲んで、すっきり帰ってもらいたい」。古き良き屋台をこよなく愛する若者が、新たな風を吹き込む。

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