工藤会、本部事務所の独自売却断念 北九州市と交渉継続

西日本新聞 夕刊

 特定危険指定暴力団工藤会の本部事務所(北九州市小倉北区神岳1丁目)の撤去を巡り、工藤会側は北九州市と売却交渉を進めつつ、単独で売却先を探していたが、7月末に市側に対し「(独自での)民間売却は断念した。その話はなかったことにしてほしい」と、市を介した交渉継続の意思を伝えていたことが関係者の話で分かった。

 本部事務所は現在、固定資産税滞納に伴い市が土地、建物を差し押さえている。市の鑑定では地価は1億数千万円。工藤会側の希望額を下回っており、工藤会側は一時、独自に売却先を探したとみられる。

 工藤会側は6月末、インターネットの不動産サイトで一時、土地をマンション用地として1億4千万円で売り出した。7月中旬には「売却先が決まりそうだ」と伝えてきたが、それが不調に終わったとみられる。

 また、工藤会側は、土地の売却益を民事損害賠償訴訟の賠償額に充てるスキームを市側に示し、両者で詰めの作業をしている。北橋健治市長は7月3日の会見で「被害者に確実に賠償が渡るスキームかどうかの検証をしている」と述べていた。

 関係者によると、売却の具体的な流れは市が購入希望先をあっせんし、売買取引は工藤会側と希望先が直接行うというもの。工藤会側は(1)建物の解体費用(3千万~4千万円)(2)固定資産税の滞納分(3)土地売却に伴う所得税-を差し引き、残額を福岡県暴力追放運動推進センターが管理し、賠償に充てる内容という。

 これにより、市がいったん買い取って民間売却する可能性は低くなっている。

 市はこれまで数十社に打診してきたが、高値の購入先が見つかるかどうかが課題となっている。

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