福岡大空襲初の朗読劇に 11日、簀子公民館 住民の体験を脚本化

西日本新聞 ふくおか都市圏版

 福岡大空襲(1945年6月19日)をテーマにした朗読劇が11日、福岡市中央区の簀子公民館(遠藤和子館長)で初めて披露される。簀子地区は被害が最も大きい地域の一つで、176人が亡くなったとされる。体験者の証言を映像に残す活動に取り組む公民館が、演劇という形で当時の人々になりきることで、戦争の理不尽さをもっと深く感じようと企画した。

 「B29よ! 早く逃げて!」「熱い、熱い」「みんな、煙ば吸ったら、いかんばい」

 7月下旬、公民館の一室に切羽詰まった叫びが響いた。地元の小学生からお年寄りまでの10人が5月から週1回、公民館で練習を重ねている。

 簀子地区で空襲に遭い、家族6人を亡くした樋口泰助さん(80)ら2人の体験を脚本化した作品だ。

 舞鶴小4年の安藤ひかりさん(9)はナレーターを担当。小学校の平和授業で空襲について知り、メンバーに加わった。同小2年の小河原壱晴君(7)とともに「戦争の怖さを伝えたい」と語る。

 樋口さんの父親を演じる平田庄吾さん(77)は、3歳の時に長崎県佐世保市で空襲を体験した。直接の被害は免れたが、焼夷弾(しょういだん)で街が焼ける様は覚えている。「今の日本とはかけ離れているだけに、感情を込めて、実際に戦争があったということを伝えたい」

 劇に関わるのは出演者だけではない。舞鶴小・中の児童や生徒が劇で使用する背景の絵を作成。出演者たちは、住民が作った防空ずきんやかすりもんぺを着て登場する。

 終戦から74年。劇を監修する大串到生(とおい)さん(31)は出演者に「明日突然、大事な人を失ってしまう。そんな気持ちで演じてほしい」と求めた。B29の爆音など、当時の映像から抽出しリアルさを求めた。

 朗読劇は、午後3時から体験者の証言映像を上映後、披露される。参加無料。事前申し込みが必要。同公民館=092(712)2268。

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