理科実験をカンボジアで 元高校教師西村さん 現地小中校巡るスタッフ募集

西日本新聞 ふくおか版

 カンボジアで教育活動に取り組む粕屋町の元高校教師、西村繕久仁(よしくに)さん(62)が「カンボジア理科実験協会」をつくり、会員を募っている。会員は現地の小中学校を巡回して理科の実験を披露するボランティアスタッフの役割を担う。西村さんは「カンボジアの未来を担う子供たちが目を輝かせる体験を、現地で一緒に提供してみませんか」と呼びかけている。

 西村さんは福岡県立高校の元生物教師。東南アジアなどで孤児の姿を見たことをきっかけに貢献活動に思いを募らせ、50歳で退職。転身した不動産業で資金をため、孤児院建設の準備をしてきた。

 カンボジアに土地を確保し、10年かけて準備した施設のオープン直前の昨年、カンボジア政府が新たな孤児院開設は認めない方針を打ち出した。行く末を案じていた時、日本から持参していた理科の実験機材で簡単な実験を現地の子供たちに披露したところ、驚き、大喜びする笑顔があふれた。「これだ」。元教師の血が騒いだ。

 孤児院開設は断念し、代わりに理科実験を見せて回ろうと決めた。西村さんによると、カンボジアで実験機材を備えた学校はほとんどなく、座学が中心。さらに、子供が多いため、学校と教師が不足していて、多くが午前と午後の入れ替え制を採っており、教育時間が少ないのが現状という。

 住居近くの学校で不定期で開いていた実験教室ではこれまで、スライム作りや顕微鏡でのプランクトン観察、レンズを二枚使った望遠鏡づくりなどに取り組み、評判を聞きつけた州政府から依頼を受けて、11月ごろからは10校ほどを巡回する予定だ。

 実験はマニュアルがあるので、会員に専門知識は必要ない。州政府派遣の通訳も同行する。会費は入会時の1万円のみ。ただし、プノンペン空港までの交通費と滞在費(3食込み一日あたり40ドル=4400円程度)は各自負担する。孤児院開設に向けて準備した建物は海沿いのリゾート地にあるため、一般の人が利用する宿泊施設として活用し、利益を協会の運営費に充てる方針だ。

 寄付金のみの協力者も募っている。西村さんは「かつての日本がそうだったように、実験で科学に関心を持つ子供が増えれば国の発展につながっていくのでは」と話している。

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