経済への影響限定的か 長期化なら日本の輸出減も 韓国優遇除外

西日本新聞 総合面

 政府が輸出管理の「ホワイト国」から韓国を外す閣議決定をしたことで、日本企業が韓国に輸出する幅広い品目が手続き簡略化の優遇措置を受けられなくなる。日本企業への影響も懸念されるが、実際は多くの企業が別の簡略化措置を利用できるため「実害はない」との声も。今のところ、日韓両国経済への影響は限定的との見方が強い。ただ、両国の関係悪化が長期化すれば影響は避けられないとの警戒感が出ている。

 「製品や取引先のリストを見ても、特段の影響は出ない」。韓国に医療機器や半導体などを輸出している旭化成の柴田豊副社長は2日の決算会見で、政府決定の影響をこう予想。「粛々と(輸出)手続きをすればいい」と述べ、受注や出荷に支障はないとの認識を示した。

 日本企業は28日以降、軍事転用の恐れがある規制品目で原則、韓国への輸出契約ごとの個別許可が必要になる。対象は工作機械や炭素繊維、高性能半導体など約240品目。ただ、多くの企業は輸出管理体制を整えているため、ホワイト国以外を対象にした別の簡略化措置が認められており、経済産業省は「大部分の企業は、今回の見直しで影響を受けない」と説明。半導体製造装置の東京エレクトロンも、ホワイト国でない中国や台湾と現に取引があり「懸念はない」と話す。

 ただ、規制品目以外でも、経産省が安全保障上の問題があると判断した場合は個別の許可が必要になる「キャッチオール規制」が韓国に適用される。食品、木材以外の全品目に対象が広がるため「政府の恣意(しい)的な追加措置につながるのではないか」(メーカー関係者)との懸念は強い。

 今回の決定に先立ち政府が半導体材料3品目の韓国向け輸出規制を強化してからほぼ1カ月。一部で輸出遅延などの影響も出始めているという。日本総研の向山英彦上席主任研究員は、一連の規制強化について「影響はすぐには分からない」としながらも、事態の長期化やエスカレートで「韓国内の設備投資が減ったり(日本からの輸入品の)国産化を進めたりして、日本企業に影響が出る可能性がある」と指摘している。

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