バンコク都心連続爆発 駅など4ヵ所 4人負傷、時限爆弾か

西日本新聞 国際面

 【バンコク川合秀紀】タイの首都バンコクで2日朝、都心部の鉄道駅近くや政府庁舎など4カ所で爆発が相次ぎ、少なくとも4人が負傷した。当局は何者かが時限爆弾を仕掛けたとみて調べている。バンコクでは、日米外相らが出席する東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合が3日までの日程で開催中。在タイ日本大使館によると邦人の被害は確認されていない。

 警察などによると、爆発は2日午前8時半すぎから同9時ごろにかけて発生。オフィスビルや商業施設、マンションが立ち並ぶ高架鉄道BTSのチョンノンシー駅近くの植え込み付近やビルの敷地などで複数回爆発があったほか、バンコク北部の政府機関が入る総合庁舎そばでも爆発があった。負傷者はビルの清掃員や警備員らで、いずれも軽傷とみられる。

 爆発しなかった爆弾も見つかっており、当局はタイマー式の小型爆弾が使われた可能性を示している。

 バンコクでは1日にも都心部にあるタイ警察本部近くで爆弾のような不審物が見つかる騒ぎがあった。2日の爆発との関連は不明。

 プラユット首相は2日、自身のフェイスブックを通じて声明を出し「爆発の背後にいる首謀者を非難する」として捜査の強化を命じ、市民に冷静な行動を呼びかけた。地元メディアでは、爆弾の威力が小さいとみられるため「ASEAN関連会合開催中にタイ政府に恥をかかせる狙いで仕掛けられた」(バンコク・ポスト)との見方が出ている。

■通勤時間「犠牲ゼロは幸運」

 バンコクで2日朝あった連続爆発は、いずれも通勤時間帯で、観光客も多いエリアで発生した。死者はなかったものの過去続発した爆発事件は近年起きていなかっただけに、都心部には騒然とした雰囲気が広がった。

 「いつもは人通りが多いけど、雨で人が少なかった。犠牲者がないのは幸運だった」。バイクタクシー運転手のソンマイさん(46)は高架鉄道BTSのチョンノンシー駅前で乗客を降ろした直後、約20メートル先で起きた爆発音を聞いた。「ものすごい音がして見ると煙が上がって焦げ臭かった。バンコクを代表するオフィス街でこんなことがあるとは…」。爆発のため植え込みや鉢植えが散乱した現場近くで語った。

 バンコク都心では2010年、政府と反政府組織との対立に伴う爆発が相次いだほか、軍事クーデター翌年の15年には観光名所でもある「エラワンのほこら」で爆弾テロが発生、20人が死亡した。その後は軍政による治安強化によって目立った爆発事件はなかった。

 同駅近くの爆発現場から約200メートルのビルにはタイ日本人会の本部があり、タイ在住の日本人から状況の問い合わせが相次いだ。関係者は「最近は平穏だったが、やはり外出時には気をつけないといけないと感じてしまう」と漏らした。 (バンコク川合秀紀)

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