広島発の原爆劇 筑後で 9日上演 大谷短大卒業生手掛ける

西日本新聞 社会面

 長崎原爆投下から74年となる9日、広島市の劇団「広島アクターズラボ 五色劇場」が、原爆をテーマにした演劇「新平和」を福岡県筑後市のサザンクス筑後で上演する。制作を手掛けるのは、同市の九州大谷短大演劇コース(現表現学科)を卒業した演劇プロデューサー岩崎きえさん(40)。広島にルーツを持つ役者たちが原爆と向き合う作品を、自らの活動の原点の地で初披露する。

 「新平和」は原爆ドームの立つ平和記念公園が舞台。当時11歳で今は孫もいる「チエ子」が友人のいた洋品店、家族写真を撮った写真館など街の記憶を語りながら物語が進む。

 広島市出身の岩崎さんは短大卒業後、山口や東京で舞台制作に携わり2007年に帰郷。16年に若手の役者や脚本・演出家らと広島発信の演劇をつくる「アクターズラボ」を立ち上げ、原爆劇づくりを始めた。

 そのきっかけは5年前、「被爆3世なのに何も知らないから」と広島で被爆語り部の会を主催するバー経営者との出会いだった。会に通い始めた岩崎さん。「体験者でない世代がどれだけ証言を継承できるか分からない。でも『演じる』ことで喚起される感情、伝えられるものがあるんじゃないか」との思いを強めた。

 広島では戦後、労働者による演劇活動などで原爆劇が上演されていたが近年は下火に。「広島の人にとって原爆は身近だけど『今更』だったのかもしれない」

 ラボの役者たちは3年間、被爆者を訪ねるフィールドワークを重ね、1年ごとに試演会として上演してきた。今年6月、完成した「新平和」を広島市で初演。筑後公演が初の県外公演となる。「広島原爆の日は6日だけど、九州の人にとっては長崎原爆の9日が忘れられない日。爆心地に生きた一人一人を、見つめ直す公演になれば」。来年には米国公演も決まっている。

 筑後公演は9日午後1時半と同7時。一般1500円。サザンクス筑後=0942(54)1200。

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