カジカガエル 美声よ再び 卵から飼育、放流へ 佐賀・脊振

 美しい鳴き声を響かせ、夏の季語にもなっているカジカガエルをよみがえらせようと、神埼市脊振町の町おこし団体「脊振を愛する会」が、福岡県上毛町の「かじか同好会」から分けてもらった卵をふ化させ、オタマジャクシを育てている。足が4本生えたら、8月中旬ごろに背振小近くの白木川に放流する予定だ。

 「昔はホタルが飛ぶ時期になると、カジカガエルの鳴き声が聞こえたのだが…」。愛する会代表の真島久光さん(71)は懐かしむ。

 カジカガエルはアオガエル科で体長は3~7センチほど。灰褐色の地味な見た目だが、「フィー、フィー」という鳥のさえずりに似た鳴き声が特徴だ。水がきれいな渓流付近に生息し、脊振町では広滝地区などでよく見られたという。

 しかし、環境の変化から数が減っているという。真島さんは「20年前か30年前ぐらいに農薬の影響からかカジカガエルが減った。集中豪雨が多くなり、卵が流されているのかもしれない」。広滝地区でも、カジカガエルの鳴き声はほとんど聞かないという。

 もともとホタルを保護していた愛する会。ホタルとカジカガエルの共演が楽しめる古里として脊振をPRしようと、昨年からカジカガエルの復活に向けて動き始めた。

 10年ほど前から活動を続ける「かじか同好会」に協力を求め、まずはカエルの生態を学んだ。昨夏にはオタマジャクシ約70匹を分けてもらい、城原川の上流に放った。

 いずれは同好会に頼らなくてもカジカガエルを増やせるように、卵を見つけたら採取し、ふ化させ、オタマジャクシを育て、放流するサイクルづくりに動く。

 今年6月には同好会を再び訪問。卵の見つけ方や育て方を聞き、卵を分けてもらった。真島代表と役員の花田健児さん(70)が、その卵をふ化させ、計30匹ほどのオタマジャクシを自宅で育てる。川の水や井戸水をバケツに注ぎ込み、14~17度ほどに水温を保つ。体長2センチほどのオタマジャクシが元気に泳ぎ回り、前足や後ろ足が生え始めているという。

 来春には産卵場所として、白木川が流れ込む本流の城原川にブロックなどを積む予定だ。カジカガエルが卵を産むのは、ふ化から2~3年。しばらく成果がみえなくても、毎年放流を続けるつもりだ。そこには「カジカガエルの鳴き声は夏の風物詩。今の子どもたちにも聞かせたい」(花田さん)という思いがある。

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