静かに伝える戦争の悲惨さ 長崎原爆資料館 新たな収蔵品展示

西日本新聞 長崎・佐世保版

 長崎市の長崎原爆資料館で、この1年に寄贈された品々を展示する「収蔵資料展」が開かれている。原爆投下から74年。物言わぬ資料が戦争のむなしさを静かに伝えている。

 遺族ら9人から計35点が寄せられた。県立長崎高等女学校に通っていた女性は、爆心地から2・3キロ離れた工場で学徒動員中に被爆。彼女の1945年度の成績通知表は戦争末期の1学期が空欄になっている。「大東亜戦争ヲ勝抜カン」と書かれた部分は、戦後に黒く塗りつぶされたという。

 ブラジルにアトリエを構える長崎出身の被爆者の伊藤薫さんは、原爆投下直後の浦上で叔父を捜した体験を1枚の絵に描いた。黒焦げになった無数の遺体の中から右腕だけを見つけることができたといい、核兵器のむごさを訴える。

 長崎出身の版画家、田川憲が撮影した旧浦上天主堂の写真データも遺族から寄贈された。原爆で崩れ落ちた天主堂。手だけとなった彫像が十字架を強く握りしめている様子に、田川は人類の意志を感じ取ったという。寄贈を記念し、田川が同天主堂を描いた作品も特別展示している。

 入場無料。10月27日まで。同館=095(844)3913。

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