「原爆の子」若者語り継ぐ 「折り鶴の少女 サダコ」 6日から博多区で朗読劇

西日本新聞 ふくおか都市圏版

 広島で被爆し、原爆症のため12歳で亡くなるまで鶴を折り続けた佐々木禎子さんを描いた朗読劇「折り鶴の少女 サダコ」が、広島原爆の日の6日から5日間、福岡市博多区築港本町のベイサイドライブホールで上演される。地元の芸能事務所アクティブハカタが毎夏キャストや演出を変えながら続けてきた恒例公演。今回で16回目の「サダコ」には、事務所代表の伊集院晃生さん(63)の「どんなことがあっても人が人を殺す理由はないことを伝えたい」との思いが込められる。

 広島市の平和記念公園にある「原爆の子の像」のモデルでもある禎子さんは2歳で被爆。白血病を患い、病床で鶴を折り続けたが、治癒の願いもむなしく12年の短い生涯を閉じた。

 劇を演じるのは、同事務所で舞台俳優やアイドルとして活動する17歳から22歳までの若い女性7人。

 「戦争が終わって10年が過ぎたというのに、この少女は、なぜ死なねばならなかったのでしょうか」‐

 劇では冒頭、観客にこう問い掛ける。物語は運動会のスターだった元気な少女がある日突然原爆症に冒される場面から始まり、高額な治療費に困窮しながら献身的に支える家族の姿や、「みんなピカ(原爆)のせいじゃ」と絶望にさいなまれながらやがて「千羽折れば病気が治る」と一心に鶴を折り始める禎子さんの「生きたい」願いを迫真の語りで描く。

 「若い頃の演劇の師匠が予科練帰り。酒を飲んで『見事散ります』と歌っては『散っちゃダメなんだよ、咲かせなきゃ』と吐露していたのが忘れられない」と、夏の戦争企画にこだわる理由を話す伊集院さん。2003年に始めた「サダコ」は、8年ほどは戦争体験のある男優と少女で演じたが、男優の他界後、さまざまな演出を試しながら若い俳優たちで受け継いできた(途中1年休演)。

 人気アイドル・女優の橋本環奈さんを育てた実力派事務所。「暗い」と敬遠されがちなテーマで、観客が10人に満たないこともあったが、伊集院さんは「見ればきっと伝わる。京都アニメの放火事件など尊い命が簡単に奪われてしまうような時代、これだけは上演を続けないと」と語る。

 サダコ役の伊藤帆乃花さん(19)は「命の大切さが舞台のテーマ。普段当たり前と思っている無事で健康な普通の生活が感謝すべきことだということを演技で伝えたい」と話した。

 各日午後3時と同6時半の開演で、上演時間は約60分。前売り千円、当日1500円。未就学児の入場は不可。アクティブハカタ=092(271)5604。

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