日韓地方間交流に対立の影

西日本新聞 総合面

 日本が韓国への半導体材料の輸出規制強化を発動してから4日で1カ月。深刻な政府間対立が地方間交流に影響を与えている。韓国では日本製品の不買運動に加え、自治体が日本側に交流事業の中止や延期を通告。日本への旅行を控える風潮もあり、両国を結ぶ航路の運休も相次ぐ。2日には日本が安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る「ホワイト国」から韓国を除外する閣議決定に踏み切り、交流の停滞が懸念される。 (釜山・前田絵)

 国レベルの関係が改善するまで行政交流を中断する方針を表明した韓国釜山市は、今月上旬に予定していた友好交流関係を結ぶ長崎県と毎年交わす協議書の締結を延期した。姉妹都市の福岡市とは派遣職員の駐在を継続しているが、交流事業の扱いは「未定」。

 韓国南部の昌寧(チャンニョン)郡は5日から地元の中学生を友好都市の鹿児島県薩摩川内市へ派遣する予定だったが、急きょ中止。佐賀県は7~8月に全羅南道と相互訪問による中高生対象の英会話学習の交流事業を計画していたが、韓国側の要請で取りやめた。

 韓国の世論調査会社「韓国ギャラップ」は7月下旬に実施した日本製品の購入に関する調査を実施。回答した約千人のうち購入に否定的な考えを示した人は8割に上った。同社は「周囲の目を意識して購入を控えている人々も含まれている」と分析した。

 そうした意識は九州との往来にも影を落とす。釜山港湾公社によると、長崎県対馬市や福岡市との航路がある釜山港を利用した7月の出入国者数は約7万5500人で前年同月比33%減と落ち込んだ。対馬航路を持つ釜山市の運航会社2社は乗船予約の激減や船体の点検整備を理由に運休中。JR九州高速船(福岡市)も10日から9月末まで減便態勢を取る。

 空の便も、韓国の格安航空会社ティーウェイ航空が大分、佐賀、熊本の計4路線について順次運休。エアプサンも毎日1往復の北九州‐大邱線を9月以降、週3便に減らす方針。

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