乳がん患者の就労支援 医療と職場の連携訴え 「引き出す姿勢必要」の提言も 日本乳癌学会

西日本新聞 医療面

さまざまな立場の専門家が就労支援について議論した 拡大

さまざまな立場の専門家が就労支援について議論した

 日本乳癌(がん)学会の学術総会が7月中旬、都内であり、患者向けプログラムでは乳がん患者の就労支援の在り方が議論された。がん患者の就労支援に取り組む医療者らは「患者自身にも支援を引き出す姿勢が必要になっている」と呼び掛けた。

 プログラムは患者が企画する形で2013年に始まり、医師らが最新の乳がん事情を分かりやすく解説している。厚生労働省によると、2016年に新たに乳がんと診断された人は9万4848人で、女性の部位別で最も多い。一方、5年生存率は90%を超え、治療と就労の両立は切実な課題となっている。

 プログラムでは、専門医や患者団体代表、企業経営者ら6人が登壇。それぞれの試みを説明し、医療者と職場の連携、相談窓口の充実などを訴えた。

 中小企業活性化コンサルタントで、明屋(はるや)書店(松山市)元社長の小島俊一さんは、同社の両立支援を紹介。がんを患った社員に適切に対応するため、専門医や産業医らと社内セミナーを実施。幹部社員ががんの知識を深め、向き合い方を実践的に学んだという。

 小島さんは「がん患者だけでなく、介護や育児など働くための困難を抱えている人は多い。そうした人たちが働き続けられる環境をつくることは企業経営の視点でも大事」とし、患者には「(会社に)遠慮することは全くない。病気になる前と同じように働けなくても、みなさんが働き続けることが企業にとっても価値になる」とエールを送った。

 一方、国立がん研究センター(東京)がんサバイバーシップ支援部長の高橋都医師は患者の心構えとして、(1)離職を早まらないで(2)公的支援・社内支援制度など、自分の権利を知ろう(3)職場で相談できる人を見つけよう(4)あったら助かる配慮を具体的に職場に提言しよう--など10項目を紹介。「支援は空から降ってこない。支援を待つのではなく引き出すという考え方が必要」と強調した。

 また、困ったときは、全国のがん診療連携拠点病院などにある相談支援センターの利用を勧めた。最寄りのセンターはがん情報サービスのホームページ(https://ganjoho.jp)で確認できる。

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